第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第一款 不動産に対する強制執行/第二目 強制競売
民事執行法 第68条の2(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)
分野:強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行
この条の要点
- 売却不成立時の保全処分:売却不成立+売却困難行為で申立てによる保全処分が可能。
- 申立てに伴う申出:保全申立ての申出額は買受可能価額以上。自ら買受の覚悟が要る。
条文原文
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第68条の2(買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等)
執行裁判所は、裁判所書記官が入札又は競り売りの方法により売却を実施させても買受けの申出がなかつた場合において、債務者又は不動産の占有者が不動産の売却を困難にする行為をし、又はその行為をするおそれがあるときは、差押債権者(配当要求の終期後に強制競売又は競売の申立てをした差押債権者を除く。次項において同じ。)の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、担保を立てさせて、次に掲げる事項を内容とする保全処分(執行裁判所が必要があると認めるときは、公示保全処分を含む。)を命ずることができる。
一 債務者又は不動産の占有者に対し、不動産に対する占有を解いて執行官又は申立人に引き渡すことを命ずること。
二 執行官又は申立人に不動産の保管をさせること。
②差押債権者は、前項の申立てをするには、買受可能価額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の入札又は競り売りの方法による売却の実施において申出額に達する買受けの申出がないときは自ら申出額で不動産を買い受ける旨の申出をし、かつ、申出額に相当する保証の提供をしなければならない。
③事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
④第五十五条第二項の規定は第一項に規定する保全処分について、同条第三項の規定は第一項の規定による決定について、同条第六項の規定は第一項の申立てについての裁判、前項の規定による裁判又は同項の申立てを却下する裁判について、同条第七項の規定は前項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は第一項に規定する保全処分を命ずる決定について、第五十五条第十項の規定は第一項の申立て又は同項の規定による決定の執行に要した費用について、第六十三条第四項の規定は第二項の保証の提供について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
売却不成立時の保全処分
一度売却を実施したのに買受申出がなく、なお売却を妨げる行為があれば、差押債権者は申立てにより担保を立てさせた上での保全処分を受けられる。
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正解 ○
正しい。買受申出がなかつた場合に限定され、売却困難行為の存在を要件に差押債権者の申立てで保全処分が認められる。通常の価格減少行為の保全処分とは前提局面が異なる点が論点。買受不成立という局面を前提にする点が通常の保全処分との違いである。
学習ポイント:売却不成立+売却困難行為で申立てによる保全処分が可能。
第68条の2第1項
申立てに伴う申出
保全処分の申立てをする差押債権者は、買受可能価額を下回る額であっても申出額を自由に定めて、買受けの申出の約束と保証を提供すればよい。
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正解 ×
誤り。申立てに当たり差押債権者は買受可能価額以上の額を申出額と定め、次の売却の実施において申出額に達する買受申出がないときは自ら申出額で買い受ける旨の申出と保証の提供をしなければならない。下限を下回る申出額は許されない。
学習ポイント:保全申立ての申出額は買受可能価額以上。自ら買受の覚悟が要る。
第68条の2第2項
根拠・関連条文
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第68条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。