第二章 保全命令に関する手続/第二節 保全命令/第一款 通則
民事保全法 第12条
この条の要点
- 債権の所在地のみなし:債権の所在地は第三債務者の普通裁判籍所在地とみなされる。みなし規定の帰結を確認。
- 債権所在地みなしの例外:物上担保権付き債権・物の引渡債権は第三債務者の裁判籍ではなく物の所在地が基準。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第12条
保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
②本案の訴えが民事訴訟法第六条第一項に規定する特許権等に関する訴えである場合には、保全命令事件は、前項の規定にかかわらず、本案の管轄裁判所が管轄する。ただし、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が同条第一項各号に定める裁判所であるときは、その裁判所もこれを管轄する。
③本案の管轄裁判所は、第一審裁判所とする。ただし、本案が控訴審に係属するときは、控訴裁判所とする。
④仮に差し押さえるべき物又は係争物が債権(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百四十三条に規定する債権をいう。以下この条において同じ。)であるときは、その債権は、その債権の債務者(以下「第三債務者」という。)の普通裁判籍の所在地にあるものとする。ただし、船舶(同法第百十二条に規定する船舶をいう。以下同じ。)又は動産(同法第百二十二条に規定する動産をいう。以下同じ。)の引渡しを目的とする債権及び物上の担保権により担保される債権は、その物の所在地にあるものとする。
⑤前項本文の規定は、仮に差し押さえるべき物又は係争物が民事執行法第百六十七条第一項に規定する財産権(以下「その他の財産権」という。)で第三債務者又はこれに準ずる者があるものである場合(次項に規定する場合を除く。)について準用する。
⑥仮に差し押さえるべき物又は係争物がその他の財産権で権利の移転について登記又は登録を要するものであるときは、その財産権は、その登記又は登録の地にあるものとする。
この条文の〇×問題(2問)
債権の所在地のみなし
金銭債権を目的物とする仮差押えを求める場合、その債権は第三債務者の普通裁判籍の所在地にあるものとされ、その所在地を管轄する地方裁判所にも保全命令事件の管轄が認められる。
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正解 ○
正しい。仮に差し押さえるべき物が債権であるときは、その債権は第三債務者の普通裁判籍の所在地にあるものとみなされ、その所在地を管轄する地方裁判所も管轄を有する。債権のような無体の財産に所在地を擬制する規定であり、みなしの帰結を問う標準的な論点である。
学習ポイント:債権の所在地は第三債務者の普通裁判籍所在地とみなされる。みなし規定の帰結を確認。
第12条4項
債権所在地みなしの例外
抵当権によって担保される金銭債権を目的物として仮差押えをする場合でも、その債権は常に第三債務者の普通裁判籍の所在地にあるものとされ、担保目的物の所在地は考慮されない。
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正解 ×
誤り。船舶又は動産の引渡しを目的とする債権及び物上の担保権により担保される債権は、例外的にその物の所在地にあるものとされる。抵当権付き債権の仮差押えでは担保不動産の所在地が基準となるため、常に第三債務者の普通裁判籍に従うとする命題は但書の読み落としである。
学習ポイント:物上担保権付き債権・物の引渡債権は第三債務者の裁判籍ではなく物の所在地が基準。
第12条4項但書
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問41イ
100万円の貸金返還請求権を被保全権利とする債権の仮差押命令の申立てについては、簡易裁判所に申し立てることができる。
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正しい
正しい。保全命令は本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物・係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(民保12条1項)。140万円以下の請求は本案が簡易裁判所の管轄となるので、簡易裁判所に申し立てることができる。
司法書士平成30年度 問41ア
貸金債権を被保全債権とする仮差押命令は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
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正しい
正しい。保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物・係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(民保12条1項)。
解説で第12条を参照している問
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第12条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。