第二章 保全命令に関する手続/第二節 保全命令/第三款 仮処分命令
民事保全法 第25条(仮処分解放金)
この条の要点
- 仮処分における解放供託額:仮処分の解放供託額は金銭代替可能な権利に限り任意に定められる。債権者意見聴取も要件。
- 仮差押えとの比較:解放供託額は仮差押えでは必置、仮処分では金銭代替可能な場合の任意事項。対比で記憶。
条文原文
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第25条(仮処分解放金)
裁判所は、保全すべき権利が金銭の支払を受けることをもってその行使の目的を達することができるものであるときに限り、債権者の意見を聴いて、仮処分の執行の停止を得るため、又は既にした仮処分の執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を仮処分命令において定めることができる。
②第二十二条第二項の規定は、前項の金銭の供託について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
仮処分における解放供託額
仮処分命令に債務者の供託すべき金額が定められるのは、その命令により保全される権利が金銭支払によって権利行使の目的を達せる性質のものに限られる。
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正解 ○
正しい。仮処分命令に債務者の解放供託額を定められるのは、保全すべき権利が金銭支払により目的を達し得るものに限られ、かつ債権者の意見を聴くことが要件である。金銭で代替できない地位の保全には解放供託の仕組みが馴染まないという制度趣旨を反映した限定である。
学習ポイント:仮処分の解放供託額は金銭代替可能な権利に限り任意に定められる。債権者意見聴取も要件。
第25条1項
仮差押えとの比較
仮処分命令にも仮差押命令と同様に、債務者が執行の停止又は取消しを得るために供託すべき金銭の額を必ず定めなければならない。
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正解 ×
誤り。仮差押命令では解放供託額の定めが必置だが、仮処分命令で定められるのは保全すべき権利が金銭支払により目的を達し得る場合に限られ、かつ「定めることができる」とされる任意事項である。必置か任意かという制度設計の違いが両者の大きな相違点であり、同視してはいけない。
学習ポイント:解放供託額は仮差押えでは必置、仮処分では金銭代替可能な場合の任意事項。対比で記憶。
第25条1項、関連:第22条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和8年度 問41イ
仮処分命令においては、保全すべき権利が金銭の支払を受けることをもってその行使の目的を達することができるものである場合であっても、仮処分の執行の停止を得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めることはできない。
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誤り
誤り。金銭の支払をもって目的を達しうる仮処分でも、執行停止のために債務者が供託すべき金銭の額を定めることができる(民保25条1項)。
司法書士令和5年度 問41イ
裁判所は、保全すべき権利が金銭の支払を受けることをもってその行使の目的を達することができるものであるときは、仮処分命令において仮処分解放金の額を定めなければならない。
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誤り
誤り。仮処分解放金は、保全すべき権利が金銭の支払をもって目的を達するものであるときに限り、債権者の意見を聞いて定める「ことができる」ものであり(民保25条1項)、必須ではない。
司法書士平成28年度 問41ア
裁判所は、係争物に関する仮処分命令において、仮処分の執行の停止を得るため、又は既にした仮処分の執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めることができない。
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誤り
誤り。係争物に関する仮処分命令でも、執行停止・取消のため債務者が供託すべき金銭の額を定めることができる(民保25条1項)。
司法書士平成26年度 問41エ
裁判所は、仮の地位を定める仮処分命令において、仮処分解放金を定めることができる。
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誤り
誤り。仮処分解放金を定めることができるのは、保全すべき権利が金銭の支払を受けることをもってその行使の目的を達することができる場合に限られ(民事保全法25条1項)、仮の地位を定める仮処分では定められない。
問題で確認する
第25条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。