第二章 保全命令に関する手続/第三節 保全異議
民事保全法 第26条(保全異議の申立て)
この条の要点
- 保全異議の申立先:保全異議の申立先は命令を発した裁判所。本案管轄裁判所ではない点に注意。
- 保全異議の申立権者:保全異議の申立権者は債務者のみ。債権者の不服申立ては別の制度。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第26条(保全異議の申立て)
保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる。
この条文の〇×問題(2問)
保全異議の申立先
保全命令が発せられた後、その内容に不服のある債務者は、当該命令を発した裁判所に対して保全異議を申し立てることができる。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。保全異議は債務者が当該保全命令を発した裁判所に申し立てる。本案の管轄裁判所ではなく発令裁判所に申し立てる点が重要で、保全命令を発した抗告裁判所への保全異議についても同様である。異議申立ての相手方と管轄を正確に結び付けておく。
学習ポイント:保全異議の申立先は命令を発した裁判所。本案管轄裁判所ではない点に注意。
第26条1項
保全異議の申立権者
保全命令の内容に不服がある場合には、債権者も債務者も保全異議を申し立てることができ、債権者は命令内容が不十分なときに異議を申し立てて命令の強化を求めることができる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。保全異議を申し立てることができるのは債務者に限られる。保全命令の内容に不足がある債権者の救済は保全異議ではなく、別途の申立てや抗告の枠組みで考える。不服申立てが当事者双方に開かれているかのような命題は、申立権者を債務者に限定する規定を取り違えている。
学習ポイント:保全異議の申立権者は債務者のみ。債権者の不服申立ては別の制度。
第26条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和6年度 問41イ
保全命令に対しては、その命令につき不服のある債務者は、即時抗告をすることができる。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。即時抗告ができるのは保全命令の申立てを却下する裁判に対する債権者である(民保19条)。保全命令自体に対する債務者の即時抗告は認められず、債務者は保全異議(26条)・保全取消(37条・38条・39条)の申立てをする。
司法書士令和3年度 問41オ
仮差押命令に対する保全異議の申立ては、本案の訴えが提起された後であってもすることができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。保全異議の申立てに期間の制限はなく、本案の訴えが提起された後でもすることができる(民保26条)。
司法書士令和2年度 問41ア
保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全抗告をすることができる。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。保全命令に対しては、債務者は保全異議の申立てができる(民保26条)。保全抗告が認められるのは保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判に対してであり(民保41条)、債務者から保全命令に対する保全抗告はない。
司法書士平成27年度 問41ア
債務者は、保全命令に対し、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。債務者は、保全命令に対し、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる(民保26条)。
問題で確認する
第26条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。