資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三章 保全執行に関する手続/第二節 仮差押えの執行

民事保全法 第50条(債権及びその他の財産権に対する仮差押えの執行)

分野:保全執行に関する手続/仮差押えの執行

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 債権仮差押えの方法:債権仮差押えは裁判所が第三債務者に弁済禁止命令を発する方法。執行官の占有ではない。
  • 第三債務者の供託の効果:第三債務者の全額供託は債務者の解放供託とみなされる。超過部分は対象外。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第50条(債権及びその他の財産権に対する仮差押えの執行)

民事執行法第百四十三条に規定する債権に対する仮差押えの執行は、保全執行裁判所が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法により行う。

②前項の仮差押えの執行については、仮差押命令を発した裁判所が、保全執行裁判所として管轄する。

③第三債務者が仮差押えの執行がされた金銭の支払を目的とする債権の額に相当する金銭を供託した場合には、債務者が第二十二条第一項の規定により定められた金銭の額に相当する金銭を供託したものとみなす。ただし、その金銭の額を超える部分については、この限りでない。

④第一項及び第二項の規定は、その他の財産権に対する仮差押えの執行について準用する。

⑤民事執行法第百四十五条第二項から第六項まで、第百四十六条から第百五十三条まで、第百五十六条(第三項を除く。)、第百六十四条第五項及び第六項並びに第百六十七条の規定は、第一項の債権及びその他の財産権に対する仮差押えの執行について準用する。

この条文の〇×問題(2問)

債権仮差押えの方法

債務者が取引先に対して持つ売掛金債権を仮差押えする場合、その執行は保全執行裁判所が取引先に対して債務者への弁済を禁じる旨の命令を発する形で行われる。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。債権に対する仮差押えの執行は、保全執行裁判所が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法により行う。執行官が目的物を占有する動産の場合や登記による不動産の場合と異なり、裁判所の命令が執行手段となる点が債権執行の特徴である。

学習ポイント:債権仮差押えは裁判所が第三債務者に弁済禁止命令を発する方法。執行官の占有ではない。

第50条1項

第三債務者の供託の効果

第三債務者が仮差押えを受けた金銭債権の額に相当する金銭を供託しても、債務者が解放のための供託をしたものとはみなされず、仮差押えの執行の取消しにはつながらない。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。第三債務者が仮差押えをされた金銭債権の額に相当する金銭を供託した場合には、債務者が命令に定められた額の金銭を供託したものとみなされる。このみなしの効果として、債務者が供託したことを証明した場合と同様に執行の取消しにつながり得る。ただし供託額が定められた額を超える部分はみなしの対象外である。

学習ポイント:第三債務者の全額供託は債務者の解放供託とみなされる。超過部分は対象外。

第50条3項、関連:第51条1項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和4年度 問46ウ

金銭債権の全部に対して仮差押えの執行がされた後、当該金銭債権の一部に対して差押えがされたときは、第三債務者は、当該金銭債権の全額に相当する金銭を供託しなければならない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。仮差押えと差押えが競合した場合、第三債務者は当該債権の全額に相当する金銭を供託しなければならない(民執156条2項・民保50条5項)。

司法書士平成29年度 問45イ

第三債務者は、金銭債権の一部に対して仮差押えの執行がされた後、当該金銭債権のうち仮差押えの執行がされていない部分を超えて発せられた仮差押命令の送達を受けたときは、その債権の全額に相当する金銭供託しなければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。仮差押えの執行が競合したにとどまる場合、第三債務者は債権の全額に相当する金銭を供託することができるが、供託する義務は負わない(民事保全法50条5項・民事執行法156条1項)。仮差押債権者は取立てができず取立訴訟も起こり得ないため、差押えが競合した場合の義務供託(同条2項)は働かない。

問題で確認する

第50条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。