第一編 総則/第七章 時効/第三節 消滅時効
民法 第169条(判決で確定した権利の消滅時効)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 確定判決による10年への統一:確定判決等で確定した権利の時効は、短い定めがあっても10年に統一される。
- 弁済期未到来債権への不適用:10年への統一は確定時に弁済期が来ている債権に限り、未到来のものは対象外。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第169条(判決で確定した権利の消滅時効)
確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。
②前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。
条文の要点
確定権利の消滅時効とは、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するもので確定した権利の時効期間で、短い定めがあっても10年になります(169条1項)。
確定の時に弁済期が到来していない債権は対象外で、本来の時効期間に服します。訴訟上の和解調書など、確定判決と同一の効力を持つものによる確定も含まれます。
確定権利の消滅時効の範囲
169条は10年より短い時効期間を10年に延ばす規定で、10年を超える期間を短縮しません。例えば166条2項の対象となる権利の20年の期間は維持されます。確定時に弁済期未到来の債権も対象外で、本来の時効期間に服します。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 効果 | 確定判決等で確定した権利の時効期間は、10年より短い定めがあっても10年になる |
| 2項 | 例外 | 確定の時に弁済期の到来していない債権には適用しない |
具体例
AのBに対する滞納管理費債権(本来の時効は5年)が確定判決で確定し、確定の時にその分の弁済期は到来していました。
確定した権利の時効期間は10年になり、確定時から10年行使しなければ消滅します。
反例(結論が変わる)
同じ設定で、判決が将来の分割払分も含み、確定の時に弁済期が来ていない回があった場合に変えます。
弁済期未到来の分は2項で対象外となり、本来の時効期間に服します。
関連条との違い
過去問で誤りとされた肢の型
- 管業令和7年度 問40肢1
確定判決で確定した滞納管理費債権の時効期間を5年のままとする誤り。10年より短い期間は169条により10年になる
- 賃管令和5年度 問19肢1
賃料債務は支払時期から10年で手続なく免れるとする誤り。判決確定なしの賃料債権は5年の時効
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年6月24日施行版
この条文の〇×問題(2問)
確定判決による10年への統一
訴訟上の和解調書のように確定判決と同一の効力を持つものによって権利が確定した場合には、その権利について本来定められていた消滅時効期間が10年に満たなくても、時効期間は10年となる。
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正解 ○
正しい。確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利は、本来の消滅時効期間が10年より短い定めであっても、10年となる。訴訟上の和解調書なども確定判決と同一の効力を持つものに含まれる。
学習ポイント:確定判決等で確定した権利の時効は、短い定めがあっても10年に統一される。
第169条1項
弁済期未到来債権への不適用
判決の確定の時点で弁済期がまだ到来していない分割払の債権の各回分についても、確定判決によって確定した権利として、一律に10年の消滅時効期間が適用される。
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正解 ×
誤り。確定判決等により確定した権利の時効期間を10年とする規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権には適用されない。確定した権利に含まれる場合でも、弁済期が未到来の将来の各回分は原則どおりの時効期間に服する。
学習ポイント:10年への統一は確定時に弁済期が来ている債権に限り、未到来のものは対象外。
第169条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問6ウ
確定判決によって確定した権利であって、確定の時に弁済期の到来している債権については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年となる。
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正しい
正しい。確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあっても10年となるが、確定の時に弁済期が到来していない債権は除かれる(169条)。
賃管令和5年度 問19肢1
賃貸借契約で定められた賃料の支払時期から 10 年が経過すれば、特段の手続きを要することなく、賃借人は賃料債務を免れる。
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誤り
誤り。賃料の消滅時効は5年であり、10年経過で特段の手続なく免れるわけではない。
賃管令和4年度 問20肢1
貸主が支払期限を知っている通常の場合、賃料債権は、5年の消滅時効に服する。
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正しい
正しい。賃料債権は定期金債権として5年で消滅時効にかかる。
マン管令和3年度 問13肢4
滞納管理費の存在が、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した場合には、その時効期間は10年である。
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正しい
正しい。確定判決等で権利が確定した場合の時効期間は10年となる(民法169条1項)。
管業令和7年度 問40肢1
管理組合が原告となり、管理費を滞納している区分所有者を被告として訴訟提起し、管理費債権が確定判決によって確定した場合には、その時効期間は5年となる。
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誤り
誤り。確定判決によって確定した権利の時効期間は10年となる。
管業令和3年度 問5肢1
Aが、管理費を滞納している区分所有者Bに対して、滞納管理費を請求する訴訟を提起し、勝訴した場合には、当該滞納管理費債権は、確定判決を得た時から10年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。
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正しい
正しい。確定判決によって確定した権利は10年間行使しないときは時効により消滅する。
問題で確認する
第169条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。