資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第一編 総則/第七章 時効/第一節 総則

民法 第152条(承認による時効の更新)

分野:時効

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 高

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 一部弁済による承認と時効の更新:承認は権利の存在を認める行為で足り、一部弁済や利息支払でも債務全体の時効が更新する。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第152条(承認による時効の更新)

時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

②前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

条文の要点

承認による時効の更新とは、債務者が権利の存在を認めたときに時効がその時から新たに進行を始めることです(152条1項)。

承認には相手方の権利の処分につき行為能力の制限を受けていないことや権限は要りません。一部弁済や利息の支払など債務の存在を前提とする行為も承認に当たります。

承認による時効の更新の効果

152条の更新は完成前の時効をやり直させ、効力は当事者及びその承継人の間に限られます。完成後の債務承認はこれと区別します。完成を知らずに承認した場合も、その完成した時効の援用は信義則上許されません(最大判昭41.4.20)。

項役割内容
1項効果権利の承認があったときは、その時から時効が新たに進行を始める
2項要件承認をする人は権限や完全な行為能力を持たなくてもよい

具体例

時効完成前に、債務者Bが債権者Aに対し、残債務のうち一部だけを弁済しました。

債務の存在を前提とする一部弁済も承認に当たり、債務全体の時効がその時から新たに進行を始めます。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Bが弁済せず債務の存在自体を争った場合に変えます。

権利の承認がなければ更新事由は生じず、時効はそのまま進行します。

関連条との違い

  • 民法 第150条:催告は6か月の完成猶予にすぎず進行をやり直させない。承認は更新して新たに進行を始める
  • 民法 第153条:更新の効力は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間に限られる
  • 民法 第146条:時効の利益はあらかじめ放棄できないが、進行中の承認や完成後の放棄は妨げられない

過去問で誤りとされた肢の型

  • 司法書士令和8年度 問6エ

    完成を知らず過失もなければ承認後にその時効を援用できるとする誤り。完成後の承認では信義則による援用制限が問題となり、152条の完成前の更新とは区別する

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年6月24日施行版

この条文の〇×問題(1問)

一部弁済による承認と時効の更新

債務者が消滅時効の期間経過中に利息や元本の一部のみを弁済した場合、債務の全部の存在を認めたとはいえないため、残りの債務について時効が更新されることはない。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。時効の更新事由となる承認は、相手方の権利の存在を認める意思表示で足り、利息や元本の一部を弁済するなど債務の存在を前提とする行為も承認に当たる。一部弁済でも債務全体について時効が新たに進行を始める。

学習ポイント:承認は権利の存在を認める行為で足り、一部弁済や利息支払でも債務全体の時効が更新する。

第152条1項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和8年度 問6エ

Bは、令和8年6月1日、Aに対し、本件債権に係る債務を承認したが、その承認をした時点において、時効完成の事実を知らず、かつ、そのことに過失がなかった。この場合には、Bは、同年7月1日、本件債権の消滅時効を援用することができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。時効完成後に債務を承認した場合、完成を知らなかったとしても、その完成した時効の援用は信義則上許されない(最大判昭41.4.20)。これは完成前の承認による152条の更新とは区別され、完成を知らなかったことに過失がない場合でも結論は変わらない。

宅建令和2年12月 問5肢3

権利の承認があったときは、その時から新たに時効の進行が始まるが、権利の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないことを要しない。

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正しい

正しい。時効は権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始め(民法152条1項)、承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない(同条2項)。

マン管平成28年度 問13肢3

AがBに対する借入金債務を承認したことによる時効の中断は、Cに対してもその効力を生じ、本件保証契約に基づくCの債務についても時効の中断の効力が生じる。

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正しい

正しい。主債務者に生じた時効の完成猶予・更新は保証人にも効力が及ぶ(現行民法457条1項)。本肢の出題当時の「中断」は、現行法の承認による更新に対応する。

管業令和5年度 問40肢1

管理費の滞納者が、管理組合に対し、滞納管理費の額と滞納している事実を認めた場合は、その時から、当該債権について時効の更新の効力が生じる。

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正しい

正しい。債務の承認があったときは時効が更新し、その時から新たに進行を始める。

管業令和4年度 問9肢3

管理費の滞納者が、滞納額25万円の一部であることを明示し、管理組合に対し5万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。債務の一部の弁済も債務の承認に当たり、時効の更新の効力を生じる。

管業令和3年度 問5肢3

管理費を滞納している区分所有者Dが、Aに対して、管理費を滞納していることを書面により認めたときは、その時から時効の更新の効力が生じる。

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正しい

正しい。債務者が権利の内容を認める承認は時効の完成更新事由となる。

問題で確認する

第152条の内容は1問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。