第一編 総則/第七章 時効/第一節 総則
民法 第147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 権利確定なき終了後の完成猶予期間:権利確定なき終了では、終了の時から6か月間は完成猶予が続く。
- 確定判決による時効の更新と時効期間:権利確定による終了は猶予でなく更新。確定判決で確定した権利の時効期間は10年。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
②前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。
この条文の〇×問題(2問)
権利確定なき終了後の完成猶予期間
債権者が裁判上の請求をした後、権利が確定しないまま訴えの取り下げによって訴訟が終了した場合、時効は訴訟終了の時から完成しうる状態に戻り、経過した期間が既に満了に達していれば直ちに時効は完成する。
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正解 ×
誤り。確定判決等によって権利が確定することなく手続が終了した場合は、その終了の時から六か月を経過するまでの間は時効は完成しない。訴えの取下げで終了しても一定の猶予期間が置かれ、その間に改めて裁判上の請求等をする余地が与えられる。
学習ポイント:権利確定なき終了では、終了の時から6か月間は完成猶予が続く。
第147条1項括弧書
確定判決による時効の更新と時効期間
金銭債権について裁判上の請求をし確定判決で権利が確定した場合、その債権の消滅時効は訴訟終了の時から新たに進行を始め、従前より短い時効期間の定めがあったとしてもその期間は十年となる。
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正解 ○
正しい。確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は手続終了の時から新たに進行を始める(更新)。さらに確定判決等によって確定した権利は、十年より短い時効期間の定めがあってもその期間は十年とされる。
学習ポイント:権利確定による終了は猶予でなく更新。確定判決で確定した権利の時効期間は10年。
第147条2項、関連:第169条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和4年度 問6ア
貸金の返還の訴えが提起された後、その訴えが取り下げられた場合には、時効の完成猶予の効力は生じない。
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誤り
誤り。訴えの取下げは、確定判決等によって権利が確定することなく事由が終了した場合に当たり、終了時から6か月間は時効は完成しない(147条1項括弧書)。
司法書士平成30年度 問6イ
売買契約において、売主が、自己の目的物引渡債務を履行していないにもかかわらず、代金の支払期限が到来したことから買主に対し売買代金支払債務の履行を催告した場合において、催告の時から6か月以内に支払督促の申立てをしたときは、その売買代金支払債務について消滅時効は中断する。
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正しい
正しい。催告の後6か月以内に支払督促の申立てをすれば、時効は中断する(出題当時の民法153条・147条1号)。自己の債務を履行していない売主がした催告であっても、時効中断の効力は妨げられない。(現行法では、催告により6か月間時効の完成が猶予され(150条1項)、その間に支払督促の申立てをすれば、その事由が終了するまで時効は完成しない(147条1項2号))
宅建令和2年12月 問5肢2
裁判上の請求をした場合、裁判が終了するまでの間は時効が完成しないが、当該請求を途中で取り下げて権利が確定することなく当該請求が終了した場合には、その終了した時から新たに時効の進行が始まる。
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誤り
誤り。裁判上の請求が取下げ等により権利が確定することなく終了した場合は、その終了の時から6か月を経過するまで時効の完成が猶予されるにとどまる(民法147条1項)。新たに時効の進行が始まる(更新)のは、確定判決等により権利が確定したときである(同条2項)。
解説で第147条を参照している問
問題で確認する
第147条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。