第二編 物権/第十章 抵当権/第四節 根抵当
民法 第398条の2(根抵当権)
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この条の要点
- 被担保債権の範囲は取引の種類で限定して定める:極度額は担保の上限であり範囲限定の代替ではない。被担保債権は取引の種類で限定して定める。
- 特定債権のみを担保する根抵当権設定の可否:根抵当権は不特定債権を担保する制度で、特定債権だけを担保する目的では設定できない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第398条の2(根抵当権)
抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
②前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
③特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。
この条文の〇×問題(2問)
被担保債権の範囲は取引の種類で限定して定める
根抵当権は極度額の範囲内で担保する制度だからといって、担保すべき債権を債務者との間に生ずる一切の債権と包括的に定めることは許されず、一定の種類の取引から生じる債権など法定の範囲に限定して定めなければならない。
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正解 ○
正しい。根抵当権の担保すべき債権は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他一定の種類の取引によって生ずるものに限定して定めなければならず(398条の2第2項)、債務者に対する一切の債権を包括的に担保する定めは許されない。ただし、特定の原因に基づき継続して生ずる債権や手形・小切手上の請求権、電子記録債権も被担保債権とすることができる(同条3項)。
学習ポイント:極度額は担保の上限であり範囲限定の代替ではない。被担保債権は取引の種類で限定して定める。
第398条の2第2項・第3項
特定債権のみを担保する根抵当権設定の可否
すでに確定している一個の貸付債権だけを担保させる目的であっても、極度額を定めさえすれば、その債権を担保する根抵当権を設定することができる。
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正解 ×
誤り。根抵当権は一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するための抵当権であり、すでに確定した特定債権のみを担保するために設定することはできない。特定債権の担保には、被担保債権を特定して設定する普通の抵当権を用いる。
学習ポイント:根抵当権は不特定債権を担保する制度で、特定債権だけを担保する目的では設定できない。
第398条の2第1項・2項、関連:第369条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成28年 問31肢2
元本確定前に、Bが、Aに対して有する継続的売買契約に係る売掛代金債権をDに対して譲渡した場合、Dは、その債権について甲土地に対する根抵当権を行使することはできない。
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正しい
元本確定前に被担保債権を譲渡しても根抵当権は随伴しない(従属性の例外・398条の2)。正しい。
司法書士平成29年度 問14オ
第三者が振り出し、債務者が裏書をした手形上又は小切手上の請求権は、債務者との一定の種類の取引によって生ずるものでなければ、根抵当権の担保すべき債権とすることができない。
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誤り
誤り。手形上・小切手上の請求権は、債務者との一定の種類の取引によって生ずるものでなくても、根抵当権の担保すべき債権とすることができる(民法398条の2第2項)。
宅建平成26年 問4肢1
抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければならないが、根抵当権を設定する場合には、BC間のあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権とすることができる。
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誤り
誤り。根抵当権でも被担保債権の範囲を定める必要があり、あらゆる範囲の不特定債権を無制限に担保させることはできない(民法398条の2)。
解説で第398条の2を参照している問
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第398条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。