抵当権は、債務者や第三者(物上保証人)が占有を移さずに不動産を担保に入れ、債権者が他の債権者に先立って弁済を受けられる担保物権です(369条)。この分野(第369条〜第398条の22)は、抵当権の効力が及ぶ範囲(370条〜372条)、順位と処分(373条〜377条)、抵当不動産を買った第三取得者の保護(378条〜386条)、法定地上権と一括競売(388条・389条)、共同抵当(392条・393条)、根抵当権(398条の2以下)に分かれます。
試験で最も問われるのは法定地上権です。土地と建物が同じ所有者の時に抵当権を設定し、競売で所有者が別になったとき、建物のために地上権が当然に成立します。成否は抵当権設定当時の状況で判断し、更地に抵当権を設定した後に建てた建物には成立しません(その場合は土地と建物を一括して競売できます)。
物上代位では、賃料・保険金・損害賠償金などに抵当権の効力が及ぶこと、払渡し前に差押えが必要なことを押さえます。第三取得者は、抵当権者の請求に応じて代価を払う代価弁済と、自ら金額を示して抵当権の消滅を求める抵当権消滅請求の2つの手段で抵当権を消せます。根抵当権は、元本確定前の変更・譲渡のルールが普通抵当権と大きく違います。