資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三編 債権/第一章 総則/第二節 債権の効力/第一款 債務不履行の責任等

民法 第416条(損害賠償の範囲)

分野:債権の効力

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 特別損害と予見可能性の要件:特別の事情による損害は、当事者がその事情を予見すべきであったときにのみ賠償対象となる。
  • 金銭債務で法定利率を超える損害の立証:金銭債務の賠償は法定(約定)利率による額に限られ、超過損害は立証しても請求できない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第416条(損害賠償の範囲)

債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。

②特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

この条文の〇×問題(2問)

特別損害と予見可能性の要件

請負工事の完成が遅れ、発注者が予定していた店舗の開業が遅れて営業上の逸失利益を被った場合でも、請負人がそのような事情を予見すべきであったとは認められないときは、発注者はこの逸失利益の賠償を請求することができない。

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正解 ○

正しい。債務不履行による損害賠償の範囲は、原則として不履行によって通常生ずべき損害に限られる。特別の事情によって生じた損害は、当事者がその事情を予見すべきであった場合にのみ賠償の対象となるため、予見可能性の認められない逸失利益は請求できない。

学習ポイント:特別の事情による損害は、当事者がその事情を予見すべきであったときにのみ賠償対象となる。

第416条1項・2項

金銭債務で法定利率を超える損害の立証

金銭の支払を目的とする債務の不履行については債権者が損害の証明を要しないとされるため、債権者は法定利率による額を超える損害についても、損害の発生や予見可能性を立証することなく賠償を請求することができる。

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正解 ×

誤り。金銭債務の不履行の損害賠償額は法定利率(約定利率が法定利率を超えるときは約定利率)によって定め(419条1項)、債権者は損害の証明を要しない(同条2項)。他方で判例(最判昭和48年10月11日)は、これを超える損害については、その発生や予見可能性を立証しても賠償を請求することはできないとしている。

学習ポイント:金銭債務の賠償は法定(約定)利率による額に限られ、超過損害は立証しても請求できない。

第419条1項・2項、関連:第416条

この条文を解説で参照する過去問

行政書士平成28年 問33肢5

特別の事情によって生じた損害につき、債務者が契約締結時においてその事情を予見できなかったとしても、債務不履行時までに予見可能であったと認められるときは、債務者はこれを賠償しなければならない。

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特別の事情による損害は債務不履行時までに予見可能なら賠償責任あり(416条・判例)。妥当。

司法書士平成29年度 問16ア

特別の事情によって生じた損害については、債務者は、その債務の成立時に当該特別の事情を予見し、又は予見することができた場合に限り、債務不履行に基づく賠償責任を負う。

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誤り

誤り。特別の事情による損害は、その事情を債務成立時に限らず履行期までに予見し又は予見することができたときも賠償責任を負う(出題当時の民法416条2項の解釈・判例)。(現行の同項は「予見すべきであった」ときに賠償責任を負うとする)

宅建平成26年 問1肢4改正前の出題

債務不履行によって生じた特別の損害のうち、債務者が、債務不履行時に予見し、又は予見することができた損害のみが賠償範囲に含まれる旨

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規定されていない

規定されていない。民法416条は通常損害に加えて予見可能だった特別損害も賠償範囲とする。『予見し又は予見することができた損害のみ』ではない。

管業平成30年度 問3肢3

債務不履行により通常生ずべき損害が生じた場合、債務者が、当該債務不履行時までにその損害が生じることを予見し、又は予見することができた場合でなければ、債権者は、損害賠償を請求することができない。

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誤り

誤り。予見可能性が必要とされるのは特別の事情によって生じた損害についてであり、通常生ずべき損害には予見・予見可能性は不要である。

問題で確認する

第416条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。