第三編 債権/第五章 不法行為
民法 第722条(損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 不法行為の過失相殺で定められるのは賠償額のみ:不法行為の過失相殺は賠償額の減額のみ。債務不履行のように責任自体を定めることはできない。
- 不法行為の損害賠償における金銭賠償の原則:不法行為の賠償も金銭賠償が原則。原状回復は別段の意思表示や特別規定がある場合に限る。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第722条(損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺)
第四百十七条及び第四百十七条の二の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
②被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
この条文の〇×問題(2問)
不法行為の過失相殺で定められるのは賠償額のみ
債務不履行については債権者の過失を考慮して損害賠償の責任及びその額が定められるのに対し、不法行為について被害者に過失がある場合に裁判所が考慮して定めることができるのは損害賠償の額のみである。
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正解 ○
正しい。民法418条は債務不履行の場合に債権者の過失を考慮して損害賠償の責任及びその額を定めるとするが、722条2項は不法行為の被害者の過失について裁判所が考慮して定めることができるのを損害賠償の額に限る。条文上、不法行為の過失相殺で賠償責任自体を免れさせることはできない。
学習ポイント:不法行為の過失相殺は賠償額の減額のみ。債務不履行のように責任自体を定めることはできない。
第722条2項、関連:第418条
不法行為の損害賠償における金銭賠償の原則
不法行為による損害賠償は、侵害された状態を原状に回復する方法によるのが原則であり、当事者間に金銭で支払う旨の特別な合意がある場合にのみ、金銭による賠償が認められる。
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正解 ×
誤り。民法722条1項は417条を準用し、損害賠償は別段の意思表示がないときは金銭をもってその額を定めるとする。不法行為による賠償も金銭支払が原則で、原状回復は原則的な方法ではない。名誉回復のための適当な処分(723条)がこの原則を補う例外として別に設けられている。
学習ポイント:不法行為の賠償も金銭賠償が原則。原状回復は別段の意思表示や特別規定がある場合に限る。
第722条1項・第417条、関連:第723条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成27年 問34肢1
本件損害賠償額を定めるにあたって、A自身の過失を考慮して過失相殺するには、Aに責任能力があることが必要であるので、本件ではAの過失を斟酌することはできない。
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妥当ではない
過失相殺に責任能力は不要で、事理を弁識するに足る知能があれば足りる(722条)。妥当ではない。
行政書士平成27年 問34肢2
本件損害賠償額を定めるにあたって、A自身の過失を考慮して過失相殺するには、Aに事理弁識能力があることは必要でなく、それゆえ、本件ではAの過失を斟酌することができる。
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妥当ではない
過失相殺には事理弁識能力が必要であり、3歳のAには認められずAの過失は斟酌できない。妥当ではない。
行政書士平成27年 問34肢3
本件損害賠償額を定めるにあたって、BとAとは親子関係にあるが、BとAとは別人格なので、Bが目を離した点についてのBの過失を斟酌することはできない。
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妥当ではない
被害者と身分上・生活上一体の関係にある親の過失は、被害者側の過失として斟酌できる(判例)。妥当ではない。
行政書士平成27年 問34肢4
本件損害賠償額を定めるにあたって、Aが罹患(りかん)していた疾患も一因となって死亡した場合、疾患は過失とはいえないので、当該疾患の態様、程度のいかんにかかわらずAの疾患を斟酌することはできない。
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妥当ではない
被害者の疾患も態様・程度に応じ、損害の公平な分担の見地から斟酌できる(判例)。妥当ではない。
解説で第722条を参照している問
問題で確認する
第722条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。