第三編 債権/第二章 契約/第一節 総則/第二款 契約の効力
民法 第533条(同時履行の抗弁)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 履行に代わる損害賠償債務への抗弁の及び:同時履行の抗弁は履行に代わる損害賠償債務にも及び、原債務の履行に限らない。
- 相手方の債務が弁済期にない場合の抗弁の制限:同時履行の抗弁は相手方の債務が弁済期にあることが前提で、期前には拒めない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第533条(同時履行の抗弁)
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
履行に代わる損害賠償債務への抗弁の及び
双務契約において相手方の債務が履行不能となり、債務の履行に代わる損害賠償の債務を負うに至った場合でも、一方当事者はその損害賠償債務の履行が提供されるまで、自己の債務の履行を拒むことができる。
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正解 ○
正しい。同時履行の抗弁が対象とする相手方の債務の履行には、債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行も含まれると明示されている。原債務が履行不能となって損害賠償債務に移行した場合でも牽連関係は維持され、その提供がない間は履行を拒める。
学習ポイント:同時履行の抗弁は履行に代わる損害賠償債務にも及び、原債務の履行に限らない。
第533条括弧書、関連:第415条
相手方の債務が弁済期にない場合の抗弁の制限
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供していない限り、相手方の債務がまだ弁済期にない場合でも、自己の債務の履行を拒むことができる。
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正解 ×
誤り。同時履行の抗弁として自己の債務の履行を拒めるのは、相手方が弁済期にある債務の履行を提供しない場合に限られる。相手方の債務が弁済期にないときは、そもそも履行を請求できないため、この抗弁を主張する余地がない。
学習ポイント:同時履行の抗弁は相手方の債務が弁済期にあることが前提で、期前には拒めない。
第533条ただし書
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成27年 問32肢2
Aが履行期日に電器製品をBのもとに持参したが、Bが売買代金を準備していなかったため、Aは電器製品を持ち帰った。翌日AがBに対して、電器製品を持参せずに売買代金の支払を求めた場合、Bはこれを拒むことができる。
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正しい
Aが電器製品を持参せず代金のみ請求しても、Bは同時履行の抗弁権で拒むことができる(533条)。正しい。
行政書士平成25年 問29肢2
Aが甲をまだBに引き渡していない場合において、CがAに対して所有権に基づいてその引渡しを求めたとき、Aは、Bから売買代金の支払いを受けていないときは、同時履行の抗弁権を行使してこれを拒むことができる。
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同時履行の抗弁権はA・B間の売買契約に基づく抗弁であり、契約当事者でない転受人Cに対しては行使できない。妥当ではない。
司法書士令和8年度 問17ア
双務契約の当事者の一方の債務が弁済期到来後に債務者の責めに帰すべき事由により履行不能となった場合には、相手方は、当該債務の履行に代わる損害賠償債務の履行が提供されるまでは、その反対給付債務について、同時履行の抗弁を主張することができる。
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正しい
正しい。債務不履行による履行不能で履行に代わる損害賠償債務に転化した場合でも、その提供があるまでは反対給付債務について同時履行の抗弁を主張できる(判例)。
解説で第533条を参照している問
問題で確認する
第533条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。