第三編 債権/第二章 契約/第五節 消費貸借
民法 第591条(返還の時期)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 返還時期未定の場合の催告要件:返還時期の定めがない貸借で貸主が返還を求めるには、相当の期間を定めた催告を要する。
- 金銭寄託への返還規定の準用:預貯金などの金銭寄託では受寄者が借主と同じ立場となり、いつでも返還できる規定が準用される。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第591条(返還の時期)
当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて返還の催告をすることができる。
②借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還をすることができる。
③当事者が返還の時期を定めた場合において、貸主は、借主がその時期の前に返還をしたことによって損害を受けたときは、借主に対し、その賠償を請求することができる。
この条文の〇×問題(2問)
返還時期未定の場合の催告要件
返還の時期を定めなかった消費貸借において、貸主は、相当の期間を定めた返還の催告などの手続を経なくても、いつでも直ちに借主に対して元本の返還を請求することができる。
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正解 ×
誤り。当事者が返還の時期を定めなかったときは、貸主は相当の期間を定めて返還の催告をしなければならず、催告を経ずに直ちに返還を強制することはできない。時期の定めの有無にかかわらずいつでも返還できるのは借主の側であり、貸主の請求には催告の手続が必要となる。
学習ポイント:返還時期の定めがない貸借で貸主が返還を求めるには、相当の期間を定めた催告を要する。
第591条1項・2項
金銭寄託への返還規定の準用
金銭を預け入れる寄託契約において、消費貸借の返還に関する規定が準用される結果、受寄者である金融機関は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも預かった金銭を返還することができる。
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正解 ○
正しい。預金又は貯金に係る契約により金銭を寄託した場合には、消費貸借の返還時期に関する規定のうち、時期の定めの有無にかかわらずいつでも返還できる旨と期前返還の損害賠償の規定が準用される。受寄者は借主と同じ立場となり、いつでも返還することができる。
学習ポイント:預貯金などの金銭寄託では受寄者が借主と同じ立場となり、いつでも返還できる規定が準用される。
関連:第666条3項、第591条2項・3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和7年 問33オ
消費貸借契約において返還時期の定めがない場合、当該消費貸借契約が利息付きであるか無利息であるかにかかわらず、貸主は借主に対していつでもその貸借物の返還を求めることができ、借主は返還請求があった時から直ちに履行遅滞の責任を負う。
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返還時期未定の消費貸借は貸主は相当期間経過後でなければ返還を求められず、直ちに履行遅滞にはならない(民法591条・判例)。
司法書士令和5年度 問16エ
返還時期の定めのない貸金の返還債務の債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。
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誤り
誤り。返還時期の定めのない消費貸借は、相当の期間を定めた返還の催告を要し、当該期間経過後に遅滞に陥る(591条1項・判例)。単に請求した時からではない。
司法書士令和2年度 問19イ
借主は、消費貸借契約において返還の時期が定められていた場合であっても、いつでも返還をすることができる。
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正しい
正しい。借主は、返還の時期の定めの有無にかかわらず、いつでも返還することができる(民法591条2項)。
司法書士令和2年度 問19エ
消費貸借契約において返還の時期が定められていなかった場合において、貸主が期間を明示せずに返還の催告をしたときであっても、借主が催告を受けた時から返還の準備をするのに相当な期間を経過したときは、借主は、返還義務について遅滞の責任を負う。
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正しい
正しい。返還時期の定めがない場合、貸主の返還催告後に返還の準備をするのに相当な期間が経過したときは、借主は遅滞の責任を負う(民法591条1項)。
解説で第591条を参照している問
問題で確認する
第591条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。