第三編 債権/第二章 契約/第九節 請負
民法 第637条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 担保責任追及の通知期間の起算点
- 請負人の悪意・重過失による通知制限の不適用
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第637条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
②前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。
この条文の〇×問題(2問)
担保責任追及の通知期間の起算点
引き渡された仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合、注文者はその引渡しの時から一年以内に不適合の旨を請負人に通知しなければ、その不適合を理由として履行の追完の請求等をすることができない。
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正解 ×
誤り。一年の通知期間の起算点は目的物の引渡しの時ではなく、注文者が不適合を知った時である。引渡しの時に不適合を知らなかった注文者は、後日これを発見した時から一年以内に通知すれば足りる。なお、引渡しの時において請負人が不適合を知り又は重大な過失で知らなかった場合には、この通知制限自体が適用されない。
学習ポイント:通知期間の起算点は引渡時ではなく、注文者が不適合を知った時。
第637条1項
請負人の悪意・重過失による通知制限の不適用
請負人が仕事の目的物の引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかった場合には、注文者は不適合を知った時から一年を経過した後でも、その不適合を理由として履行の追完の請求等をすることができる。
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正解 ○
正しい。注文者が不適合を知った時から一年以内に通知しなければ担保責任を追及できないのが原則だが、目的物の引渡しの時(引渡しを要しない場合は仕事が終了した時)において請負人がその不適合を知り、又は重大な過失で知らなかったときは、この期間制限は適用されない。悪意又は重過失の請負人は、注文者の通知欠缺を理由に責任を免れない。
学習ポイント:一年の通知制限は、引渡時点で請負人が不適合について悪意・重過失なら適用されない。
第637条2項、関連:第566条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和5年 問3肢3
Bが材料を提供して増築した部分に契約不適合があり、Bは不適合があることを知りながらそのことをAに告げずに工事を終了し、Aが工事終了日から3年後に契約不適合を知った場合、AはBに対して、消滅時効が完成するまでは契約不適合を理由とした修補を請求することができる。
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正しい
正しい。請負人が不適合を知りながら告げなかった場合は期間制限の適用がなく、消滅時効完成まで請求できる(民法637条2項)。
賃管令和4年度 問5肢2
引き渡された建物が契約の内容に適合しないものである場合、Bがその不適合を知った時から1年以内にその旨をAに通知しないと、Bは、その不適合を理由として、Aに対し担保責任を追及することができない。
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正しい
正しい。請負の契約不適合責任は、注文者が不適合を知った時から1年以内に通知しなければ追及できない。
管業令和4年度 問3肢2
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正しい
正しい。ウは契約不適合を知った時から1年以内の通知で追完請求ができ、エは既にした履行によって利益を受ける割合で報酬を請求できる。
管業令和2年度 問2肢4
Bの工事完成後に、完成品に本件契約内容との不適合があることをAが知った場合には、AはBに対し、その時から1年以内にその旨を通知しなければ、追完請求としての修補請求をすることはできない。
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正しい
正しい。完成品の契約不適合は知った時から1年以内に通知しなければ追完請求ができない。
解説で第637条を参照している問
問題で確認する
第637条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。