第三編 債権/第五章 不法行為
民法 第723条(名誉毀損における原状回復)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 名誉回復処分には被害者の請求が必要:名誉回復処分は被害者の請求が要件。裁判所が職権で命じることはできない。
- 信用毀損と名誉回復処分:723条の名誉は信用を含む社会的評価。信用毀損でも名誉回復処分を請求できる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第723条(名誉毀損における原状回復)
他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
この条文の〇×問題(2問)
名誉回復処分には被害者の請求が必要
他人の名誉を毀損した者に対し、裁判所は、被害者から名誉回復のための処分を求める申立てがなくても、損害賠償の額を定めるに併せて、職権で名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
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正解 ×
誤り。民法723条は、裁判所が名誉を回復するのに適当な処分を命ずるには被害者の請求を要すると定める。不法行為の過失相殺(722条2項)のような裁判所の職権考慮事項とは異なり、被害者の申立てなしに命ずることはできない。
学習ポイント:名誉回復処分は被害者の請求が要件。裁判所が職権で命じることはできない。
第723条、関連:第722条2項
信用毀損と名誉回復処分
虚偽の事実を流布されて信用を毀損された被害者は、裁判所に対し、損害賠償とともに、社会的評価を回復するのに適当な処分を命ずることを請求することができる。
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正解 ○
正しい。723条の「名誉」は、人がその品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的な評価をいう(判例)。虚偽の事実の流布による信用毀損も社会的評価を低下させる名誉毀損に当たり、被害者は損害賠償とともに名誉回復に適当な処分を請求できる。処分を命じるかは裁判所が必要性・相当性から判断する。
学習ポイント:723条の名誉は信用を含む社会的評価。信用毀損でも名誉回復処分を請求できる。
第723条、関連:第709条・第710条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問1オ
裁判所が、名誉毀損の加害者に対し、事態の真相を告白し陳謝の意を表明する内容の謝罪広告を新聞紙に掲載するよう命ずることは、加害者の意思決定の自由ないし良心の自由を不当に制限するものとして許されない。
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誤り
誤り。単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる謝罪広告の新聞掲載を命ずることは、屈辱的・苦役的労苦を科し、又は倫理的意思・良心の自由を侵害するものではなく、民法723条の適当な処分として許される(謝罪広告請求事件・最大判昭31.7.4)。
宅建令和元年 問4肢4改正前の出題
名誉を違法に侵害された者は、損害賠償又は名誉回復のための処分を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し侵害行為の差止めを求めることができる。
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正しい
正しい。名誉侵害は賠償・名誉回復処分のほか人格権に基づく差止請求も可能(判例・民法723条)。
解説で第723条を参照している問
問題で確認する
第723条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。