第二編 商行為/第九章 寄託/第一節 総則
商法 第595条(受寄者の注意義務)
この条の要点
- 営業寄託における無償受寄の注意義務:営業の範囲内の寄託は無償でも善管注意義務。民法の無償受寄者の軽い注意義務と混同しない。
- 営業寄託の報酬請求権:営業範囲内で他人のためにした行為には相当報酬請求権が生じる。報酬合意の不存在は請求不可を意味しない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第595条(受寄者の注意義務)
商人がその営業の範囲内において寄託を受けた場合には、報酬を受けないときであっても、善良な管理者の注意をもって、寄託物を保管しなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
営業寄託における無償受寄の注意義務
商人がその営業のために物品の保管を引き受けた場合、報酬を受けない約束であったとしても、自己の財産に対するのと同程度の注意では足りず、善良な管理者の注意をもって保管する義務を負う。
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正解 ○
正しい。商人がその営業の範囲内において寄託を受けた場合は、報酬を受けないときであっても善良な管理者の注意をもって保管する義務を負う。民法上の無償受寄者が負う自己の財産に対するのと同一の注意という軽い義務ではなく、営業として引き受けた以上は重い注意義務が課される。
学習ポイント:営業の範囲内の寄託は無償でも善管注意義務。民法の無償受寄者の軽い注意義務と混同しない。
第595条、関連:民法第659条
営業寄託の報酬請求権
商人がその営業の範囲内において他人の物品の保管を引き受けた場合、報酬を支払う旨の合意がなければ、その商人は報酬を請求することができない。
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正解 ×
誤り。商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。物品の保管の引受けもこれにあたるため、報酬の合意がなくても報酬を請求しうる。なお報酬を受けないとした場合でも善管注意義務は免れない。
学習ポイント:営業範囲内で他人のためにした行為には相当報酬請求権が生じる。報酬合意の不存在は請求不可を意味しない。
第595条、関連:第512条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問35ウ
倉庫営業者は、その営業の範囲内において寄託を受けた場合であっても、報酬を受けないときは、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負うことになる。
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誤り
誤り。倉庫営業者は営業として寄託を受ける者であり、報酬を受けないときでも自己の財産と同一の注意ではなく、善良な管理者の注意をもって寄託物を保管する義務を負う(商法595条)。
司法書士平成30年度 問35オ
場屋の主人の責任は、客から寄託を受けた物品が滅失した時から1年を経過したときは、時効によって消滅する。
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誤り
誤り。場屋の主人の責任は、物品を返還した時又は客が場屋を去った時から1年間行使しないときに時効消滅する(商法595条)。滅失の時からではない。
解説で第595条を参照している問
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第595条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。