第四章 書面を提出する方法による登記申請の手続
不動産登記令 第16条(申請情報を記載した書面への記名押印等)
この条の要点
- 印鑑証明の期間制限:印鑑証明は作成後3月以内のもの。住所地市町村長等が作成。
- 嘱託書面の例外:官庁・公署の嘱託書面は印鑑証明の添付を免れる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第16条(申請情報を記載した書面への記名押印等)
申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。
②前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。次条第一項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。
③前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。
④官庁又は公署が登記の嘱託をする場合における嘱託情報を記載した書面については、第二項の規定は、適用しない。
⑤第十二条第一項及び第十四条の規定は、法務省令で定めるところにより申請情報の全部を記録した磁気ディスクを提出する方法により登記を申請する場合について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
印鑑証明の期間制限
書面申請において申請情報を記載した書面に記名押印した者(委任による代理人を除く)の印鑑に関する証明書は、作成後3月以内のものでなければならない。
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正解 ○
正しい。書面申請の印鑑に関する証明書には作成後3月以内という期間制限がある。住所地の市町村長又は登記官が作成するものに限られ、古い証明書は使えない。添付書類の鮮度を担保する実務上の重要な期限である。
学習ポイント:印鑑証明は作成後3月以内のもの。住所地市町村長等が作成。
第16条第2項・第3項
嘱託書面の例外
官庁又は公署が登記の嘱託をする場合の嘱託情報を記載した書面にも、嘱託者の印鑑に関する証明書の添付が必要である。
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正解 ×
誤り。官庁・公署の嘱託書面については、印鑑証明の添付規定が適用されない。申請とは異なり嘱託は公権力の職務上の行為であり、印鑑で本人性を証する必要がないため、同じ記名押印の枠組みの例外とされている。
学習ポイント:官庁・公署の嘱託書面は印鑑証明の添付を免れる。
第16条第4項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和8年度 問48エ
地上権の設定の登記の抹消を申請する場合において、登記義務者が登記識別情報を提供することができないときは、申請情報を記載した書面に当該登記義務者の印鑑に関する証明書を添付することを要する。
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正しい
正しい。登記義務者が登記識別情報を提供できない場合、申請書に登記義務者の印鑑証明書の添付を要する(不登令16条2項)。
司法書士平成31年度 問57エ
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誤り
誤り。登記の回復でも、共同申請の場合の登記義務者(所有権の登記名義人)の印鑑に関する証明書の提供を要する(不動産登記令16条2項・18条2項)。
司法書士平成30年度 問53ア
不動産の共有者である所有権の登記名義人の全員が3年間共有物の分割を禁止する旨の定めをし、当該定めを追加する旨の所有権の変更の登記を申請するときは、当該登記名義人の全員の印鑑に関する証明書を添付することを要しない。
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誤り
誤り。共有物分割禁止の定めに係る所有権の変更の登記は共有者である登記名義人全員が共同して申請し(不動産登記法65条)、所有権の登記名義人が登記義務者となるから、登記名義人全員の印鑑に関する証明書を添付しなければならない(不動産登記令16条2項・18条2項)。
司法書士平成30年度 問53オ
税金の滞納者が所有権の登記名義人である不動産について、税務署が公売処分による当該不動産の所有権の移転の登記を嘱託するときは、その嘱託情報に記名押印した者に係る印鑑に関する証明書を添付することを要しない。
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正しい
正しい。官公署が登記を嘱託する場合、嘱託情報に記名押印した者に係る印鑑に関する証明書の添付を要しない(不登令16条4項)。
司法書士平成28年度 問52エ
Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Aを債務者とする抵当権が設定されている場合において、Aの債務をBが引き受けたときは、登記識別情報を提供した上でする当該抵当権の債務者を変更する登記の申請に際して、Aの印鑑に関する証明書を添付情報とすることを要しない。
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正しい
正しい。所有権の登記名義人が登記義務者となる抵当権の債務者の変更の登記を、登記識別情報を提供して申請する場合には、登記義務者の印鑑に関する証明書の添付を要しない(不動産登記令16条2項・不動産登記規則47条)。
司法書士平成25年度 問50ア
登記上の利害関係を有する第三者の承諾を得て、付記登記によってする地役権の変更の登記を申請する場合において、当該第三者の承諾を証する当該第三者が作成した書面に添付すべき印鑑に関する証明書は、作成後3か月以内のものであることを要しない。
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正しい
正しい。登記上の利害関係を有する第三者の承諾を証する書面に添付する印鑑に関する証明書は、不登令16条2項・18条2項に基づく提供ではないため、作成後3か月以内のものであることを要しない(不登令19条2項)。
司法書士平成25年度 問50ウ
地上権の設定の登記の抹消を申請する場合においては、登記義務者が登記識別情報を提供することができないときであっても、当該登記義務者の印鑑に関する証明書を提供することを要しない。
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誤り
誤り。地上権設定登記の抹消申請で登記義務者が登記識別情報を提供できないときは、登記義務者の印鑑に関する証明書を提供しなければならない(不登令16条2項・不登規48条1項5号・47条3号ハ)。
問題で確認する
第16条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。