第一章 建物の区分所有/第四節 管理者
建物の区分所有等に関する法律 第27条(管理所有)
この条の要点
- 管理者の共用部分所有:他者所有禁止の例外。規約の特別定めで管理者所有が可能。
- 準用規定の有無:管理者の共用部分所有には使用保存請求・規約所有者の規定が準用される。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第27条(管理所有)
管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
②第六条第二項及び第二十条の規定は、前項の場合に準用する。
条文の要点
管理所有とは、規約に特別の定めがある場合に、管理者が共用部分を所有することです(27条1項)。
区分所有者以外を共用部分の所有者にする規約を禁じる原則の例外で、認められるのは管理者だけです。管理所有となった共用部分には、使用・保存請求と規約所有者の管理義務に関する規定が準用されます。
管理所有の対象の限界
対象は当該建物の共用部分で、一部共用部分も含まれますが、規約で定めた建物の敷地は含まれません。管理組合法人には管理者に関する規定が適用されないため、法人を管理所有者とする規約も定められません。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 要件 | 規約に特別の定めがあることが前提で、規約だけが根拠になる |
| 1項 | 効果 | 管理者が共用部分(一部共用部分を含む)を所有できる。建物の敷地は対象外 |
| 2項 | 効果 | 専有部分等の使用・保存請求と、規約で所有者とされた者の管理義務・費用請求の規定が準用される |
具体例
A・Bらのマンションの規約には、管理者Xに機械室の共用部分を所有させる特別の定めがあります。
Xは規約の定めにより機械室を所有でき、他の区分所有者は保存に必要な範囲で使用・保存を請求できます。
反例(結論が変わる)
同じ設定で、規約が管理者Xに建物の敷地の所有を認める定めを置いた場合に変えます。
管理所有の対象は共用部分に限られるため、敷地を管理者の所有とする規約の定めは認められません。
関連条との違い
- 区分所有法 第11条:11条2項ただし書は区分所有者以外を共用部分の所有者にする規約を禁じる。管理所有はその唯一の例外
- 区分所有法 第20条:規約で所有者とされた区分所有者は全員のための管理義務と費用請求権を持つ。27条はこの規定を管理者の所有に準用する
- 区分所有法 第47条:管理組合法人には管理者に関する節の規定が適用されないため、法人を管理所有者とする規約は定められない
過去問で誤りとされた肢の型
- マン管令和4年度 問3肢1
管理所有は一部共用部分に及ばないとする誤り。共用部分の全部又は一部を対象にできる
- マン管令和4年度 問11肢4
団地共用部分を団地管理組合の管理者の所有にできるとする誤り。管理所有は当該建物の共用部分に限られる
- マン管平成28年度 問5肢4
規約による建物の敷地も管理者が所有できるとする誤り。対象は共用部分に限られ敷地は含まれない
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年4月1日施行版
この条文の〇×問題(2問)
管理者の共用部分所有
規約に特別の定めをすれば、管理者は共用部分を所有することができる。
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正解 ○
正しい。区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることは原則できないが、規約に特別の定めがあるときは管理者が共用部分を所有できる。機械室等を管理者に持たせる設計が可能で、この場合使用・保存請求や規約所有者の規定が準用される。
学習ポイント:他者所有禁止の例外。規約の特別定めで管理者所有が可能。
第27条1項、関連:第11条2項
準用規定の有無
管理者が規約により共用部分を所有する場合でも、使用・保存請求や管理義務に関する規定の準用はない。
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正解 ×
誤り。管理者が共用部分を所有する場合には、専有部分等の使用・保存請求に関する規定と、規約所有者の管理義務・費用請求に関する規定が準用される。単なる所有の帰属だけでなく管理の法的枠組みも及ぶので、準用の存在を否定する記述は誤りである。
学習ポイント:管理者の共用部分所有には使用保存請求・規約所有者の規定が準用される。
第27条2項、関連:第6条2項・第20条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和2年12月 問13肢2
管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
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正しい
正しい。管理者は規約の定めにより共用部分を所有できる(区分所有法27条)。
宅建平成28年 問13肢2
管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
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正しい
正しい。管理者は規約に特別の定めがあるときは共用部分を所有することができる(区分所有法27条)。
マン管令和4年度 問3肢1
規約の別段の定めによっても、管理者は一部共用部分を所有することはできない。
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誤り
誤り。管理所有は共用部分の全部又は一部を対象にでき、一部共用部分も管理所有の対象とできる。
マン管令和4年度 問11肢4
団地管理規約に団地共用部分の定めを設けることにより、団地管理組合の管理者を団地共用部分の所有者と定めることができる。
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誤り
誤り。管理所有の規約は各区分所有建物の共用部分に限られ、団地共用部分を団地管理組合の管理者の所有とすることはできない。
マン管令和3年度 問4肢1
規約において、法定共用部分だけでなく規約共用部分についても管理所有の対象とすることができる。
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正しい
正しい。管理所有は規約により、法定共用部分だけでなく規約共用部分も対象とできる(区分所有法27条)。
マン管平成30年度 問2肢4
管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
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正しい
正しい。管理者は、規約に特別の定めがあるときは、共用部分を所有することができる。
マン管平成28年度 問5肢1
共用部分は、規約の定めにより、区分所有者又は管理者でない者の所有に属させることができる。
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誤り
誤り。区分所有法11条2項は、27条1項の場合を除き、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることを禁止する。区分所有者でも管理者でもない者を所有者にすることはできない。
マン管平成28年度 問5肢4
管理者が共用部分を所有する場合、共用部分に加え、規約による建物の敷地も所有することができる。
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誤り
誤り。区分所有法27条1項の管理所有は共用部分に限られ、敷地には及ばない。規約による建物の敷地を管理所有の対象にできるという記述は誤りである。
問題で確認する
第27条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。