第一章 建物の区分所有/第五節 規約及び集会
建物の区分所有等に関する法律 第46条(規約及び集会の決議の効力)
この条の要点
- 規約・決議の承継人への効力:規約・決議の効力は特定承継人に及ぶ。買主も引き継ぐ。
- 占有者の義務:占有者も使用方法について同一の義務を負う。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第46条(規約及び集会の決議の効力)
規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。
②占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
条文の要点
規約及び集会の決議の効力とは、規約や集会の決議が区分所有者の特定承継人にも及び、占有者にも使用方法について区分所有者と同一の義務を負わせることです(46条)。
買主等の特定承継人は承継前の規約・決議にも拘束されます。前所有者の管理費債務への請求は8条が別に定め、賃借人等の占有者へ46条2項が及ぼすのは使用方法の義務です。
規約及び集会の決議の効力の及ぶ相手
特定承継人は規約・決議の内容を知らなくても拘束されます。占有者は使用方法の義務を負いますが、46条2項だけを根拠に管理費の債務者になるわけではありません。賃貸借契約等で別に負担を約束している場合の義務とは分けます。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 効果 | 規約と集会の決議は区分所有者の特定承継人にも効力を生じ、知っていたかを問わない |
| 2項 | 効果 | 占有者は建物・敷地・附属施設の使用方法につき、規約・決議に基づく区分所有者と同一の義務を負う |
具体例
Aの専有部分を買い受けたBに、管理組合Cが取得後の月の管理費を請求しています。規約は区分所有者に管理費の負担を定めています。
Bは特定承継人として規約に拘束され、所有する期間の管理費負担を規約を知らなかったという理由だけで拒めません。
反例(結論が変わる)
同じ住戸と取得後の月の管理費について、Bが買主ではなくAから借りる賃借人で、管理費負担を別に約束していなかった場合に変えます。
Bは占有者として使用方法の規約には従いますが、46条2項によって管理費債務を直接負うわけではなく、Cは同項だけで請求できません。
関連条との違い
- 区分所有法 第8条:7条1項の規定による債権は特定承継人にも行使できる。46条は規約・決議全般の効力、8条は所定の請求の承継の問題
- 区分所有法 第6条:共同の利益に反する行為の禁止は占有者にも準用される。46条2項と併せて占有者の行為規範を作る
- 区分所有法 第19条:共用部分の負担は持分に応じて各共有者が負う。占有者はこの負担義務を負わない
過去問で誤りとされた肢の型
- 宅建令和2年12月 問13肢3
規約と集会の決議は特定承継人に効力を生じないとする誤り。1項で特定承継人にも及ぶ
- 管業令和7年度 問27肢4
内容を知らずに買い受けた者には効力が及ばないとする誤り。善意の特定承継人にも及ぶ
- マン管平成29年度 問1肢2
区分所有権を持たない居住者は規約・決議に拘束されないとする誤り。占有者は使用方法について同一の義務を負う
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年4月1日施行版
この条文の〇×問題(2問)
規約・決議の承継人への効力
規約や集会の決議は、区分所有者から専有部分を譲り受けた特定承継人に対しても効力を生ずる。
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正解 ○
正しい。規約や集会決議の効力は区分所有者の特定承継人にも及ぶ。専有部分を取得した者は、その所有に基づく管理関係も引き継ぐので、取得後に初めて知った決議にも拘束される点が実務上重要である。取得後に知った決議にも拘束される結果となる。
学習ポイント:規約・決議の効力は特定承継人に及ぶ。買主も引き継ぐ。
第46条1項
占有者の義務
賃借人等の占有者は、建物や敷地等の使用方法について、区分所有者が規約や集会決議で負う義務と同一の義務を負う。
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正解 ○
正しい。占有者は建物・敷地・附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約または集会決議で負うのと同一の義務を負う。賃借人も管理規約上の使用ルールに服するので、区分所有者と占有者の責任の連続性を理解する規定である。
学習ポイント:占有者も使用方法について同一の義務を負う。
第46条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和2年12月 問13肢3
規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しては、その効力を生じない。
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誤り
誤り。規約及び集会の決議は特定承継人にも効力を生じる(区分所有法46条)。
宅建平成30年 問13肢4
占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
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正しい
正しい。占有者も区分所有者と同一の義務を負う(区分所有法46条)。
マン管令和2年度 問7肢2
甲マンションの集会で決議された規約のうち、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法に当たらない事項に関する定めについては、Bにはその効力は及ばない。
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正しい
正しい。規約及び集会の決議の効力が占有者に及ぶのは建物・敷地・附属施設の使用方法に関する事項に限られる。
マン管平成29年度 問1肢2
3条の団体は、区分所有権を有する者がその構成員となる団体であり、区分所有権を有さずにマンションに居住している者は、集会の決議及び規約に拘束されることはない。
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誤り
誤り。占有者は区分所有権を有さなくても、建物・敷地・附属施設の使用方法について規約・集会決議に基づき区分所有者が負う義務と同一の義務を負う。
マン管平成29年度 問2肢3
Aがその所有時に甲マンションの規約で定めた義務に違反する行為を行い、規約に定める違約金としての弁護士費用の支払を怠っていた場合、Bはその弁護士費用を支払う義務がある。
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正しい
正しい。規約に定める違約金としての弁護士費用の支払義務も、規約に基づく債務として特定承継人に承継される。
管業令和7年度 問27肢4
規約及び集会の決議は、専有部分を区分所有者からその内容を知らずに買い受けた者に対しては、当該部分についてはその効力が生じない。
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誤り
誤り。規約及び集会の決議は特定承継人にも効力が及ぶ。
管業令和6年度 問25肢3
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正しい
正しい。イは占有者も区分所有者と同一の義務を負うため誤り、ウは占有者は必要な注意をしたときは免責されるため誤りである。アは支払義務は賃貸人が負い適切である。
問題で確認する
第46条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。