第二編 普通地方公共団体/第九章 財務/第十節 住民による監査請求及び訴訟
地方自治法 第242条(住民監査請求)
この条の要点
- 住民監査請求:住民監査請求は書面添付。行為の日・終了日から1年経過で原則不可。
- 監査・勧告の期間:住民監査請求への対応は60日以内。90日ではない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第242条(住民監査請求)
普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な公金の支出、財産の取得、管理若しくは処分、契約の締結若しくは履行若しくは債務その他の義務の負担がある(当該行為がなされることが相当の確実さをもつて予測される場合を含む。)と認めるとき、又は違法若しくは不当に公金の賦課若しくは徴収若しくは財産の管理を怠る事実(以下「怠る事実」という。)があると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によつて当該普通地方公共団体の被つた損害を補塡するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。
②前項の規定による請求は、当該行為のあつた日又は終わつた日から一年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
③第一項の規定による請求があつたときは、監査委員は、直ちに当該請求の要旨を当該普通地方公共団体の議会及び長に通知しなければならない。
④第一項の規定による請求があつた場合において、当該行為が違法であると思料するに足りる相当な理由があり、当該行為により当該普通地方公共団体に生ずる回復の困難な損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、当該行為を停止することによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがないと認めるときは、監査委員は、当該普通地方公共団体の長その他の執行機関又は職員に対し、理由を付して次項の手続が終了するまでの間当該行為を停止すべきことを勧告することができる。この場合において、監査委員は、当該勧告の内容を第一項の規定による請求人(以下この条において「請求人」という。)に通知するとともに、これを公表しなければならない。
⑤第一項の規定による請求があつた場合には、監査委員は、監査を行い、当該請求に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を書面により請求人に通知するとともに、これを公表し、当該請求に理由があると認めるときは、当該普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関又は職員に対し期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を請求人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
⑥前項の規定による監査委員の監査及び勧告は、第一項の規定による請求があつた日から六十日以内に行わなければならない。
⑦監査委員は、第五項の規定による監査を行うに当たつては、請求人に証拠の提出及び陳述の機会を与えなければならない。
⑧監査委員は、前項の規定による陳述の聴取を行う場合又は関係のある当該普通地方公共団体の長その他の執行機関若しくは職員の陳述の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、関係のある当該普通地方公共団体の長その他の執行機関若しくは職員又は請求人を立ち会わせることができる。
⑨第五項の規定による監査委員の勧告があつたときは、当該勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員は、当該勧告に示された期間内に必要な措置を講ずるとともに、その旨を監査委員に通知しなければならない。この場合において、監査委員は、当該通知に係る事項を請求人に通知するとともに、これを公表しなければならない。
⑩普通地方公共団体の議会は、第一項の規定による請求があつた後に、当該請求に係る行為又は怠る事実に関する損害賠償又は不当利得返還の請求権その他の権利の放棄に関する議決をしようとするときは、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。
⑪第四項の規定による勧告、第五項の規定による監査及び勧告並びに前項の規定による意見についての決定は、監査委員の合議によるものとする。
この条文の〇×問題(2問)
住民監査請求
住民は、団体の長・委員会・委員・職員等について、違法若しくは不当な公金の支出や財産の取得・管理・処分、契約の締結・履行等があると認めるとき、これを証する書面を添えて監査委員に対し監査を求める請求ができるが、当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過すると原則として請求できない。
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正解 ○
正しい。住民監査請求は証する書面を添えて監査委員に対し行う。請求対象は違法・不当な公金の支出、財産の取得・管理・処分、契約の締結・履行、負担義務等。行為の日又は終わった日から1年を経過したときは、正当な理由がある場合を除き請求できない。
学習ポイント:住民監査請求は書面添付。行為の日・終了日から1年経過で原則不可。
第二百四十二条1項・2項
監査・勧告の期間
監査委員は、住民監査請求があった場合、監査を行いその結果に基づく勧告を、請求があった日から90日以内に行えば足りる。
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正解 ×
誤り。住民監査請求があった場合、監査委員の監査及び勧告は、請求があった日から60日以内に行わなければならない(242条6項)。90日ではない。監査委員は監査を行い、請求に理由があると認めるときは、議会・長その他の執行機関又は職員に対し、期間を示して必要な措置を講ずべきことを勧告する。
学習ポイント:住民監査請求への対応は60日以内。90日ではない。
第二百四十二条6項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和6年 問23肢1
住民監査請求は、普通地方公共団体の住民が当該普通地方公共団体の監査委員に対して行う。
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妥当である
住民監査請求は普通地方公共団体の住民が監査委員に対して行う(自治法242条)。
行政書士令和4年 問23肢4
普通地方公共団体において違法な財務会計行為があると認めるときは、当該財務会計行為と法律上の利害関係のある者は、当該地方公共団体の住民でなくとも住民監査請求をすることができる。
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妥当でない
住民監査請求は当該団体の住民に限られ、法律上の利害関係があるだけではできない(自治法242条)。
行政書士令和2年 問24肢3
住民訴訟の前提となる住民監査請求は、条例で定める一定数の当該地方公共団体の住民の連署により、これをする必要がある。
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妥当でない
住民監査請求は1人でもでき、連署は不要(自治法242条)。誤り。
解説で第242条を参照している問
問題で確認する
第242条の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。