資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第五章 業務/第一節 通則

宅地建物取引業法 第31条の3(宅地建物取引士の設置)

分野:業務(広告・媒介契約・重要事項説明・書面交付)

出題試験:宅建

この条の要点

  • 従業者数と事務所の専任宅建士数:事務所は従業者5人に専任宅建士1人以上。11人なら3人必要。
  • 案内所における専任宅建士の配置:契約申込みを受け付ける案内所等には、その場所ごとに専任宅建士が必要。
  • 専任宅建士が不足した場合の補充期限:既存の事務所等で専任宅建士が不足したら、2週間以内に必要な措置を執る。
  • 宅建士である役員の専任者数への算入:宅建士である役員は、主として業務に従事する事務所等で専任者とみなされる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第31条の3(宅地建物取引士の設置)

宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所(以下この条及び第五十条第一項において「事務所等」という。)ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。

②前項の場合において、宅地建物取引業者(法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。))が宅地建物取引士であるときは、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、その者は、その事務所等に置かれる成年者である専任の宅地建物取引士とみなす。

③宅地建物取引業者は、第一項の規定に抵触する事務所等を開設してはならず、既存の事務所等が同項の規定に抵触するに至つたときは、二週間以内に、同項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。

条文の要点

専任の宅地建物取引士の設置とは、業者が事務所等の場所ごとに、省令で定める数の成年の専任宅建士を置く義務です(31条の3第1項)。

設置数は場所の種類で変わり、事務所は従事者5人に1人以上、契約・申込受付をする案内所等は1人以上です。契約も申込受付もしない案内所は対象外で、既存の場所が基準を欠いたときは2週間以内の適合措置が要ります。

専任の宅地建物取引士の設置の適合期限

基準を欠くに至った場合の猶予は2週間だけで、30日や1か月ではありません。期限内に新たな専任宅建士を置くか従事者数を減らして基準へ戻す必要があり、期限を過ぎても適合しなければ設置義務違反として65条の指示・業務停止処分の対象になります。

項役割内容
1項要件事務所等ごとに省令で定める数の成年の専任宅建士を置く。事務所は従事者5人に1人以上の割合
1項要件契約や申込みを受ける一定の案内所等は場所ごとに1人以上。契約も申込受付もしない案内所は対象外
2項例外業者本人や法人の役員が宅建士で自ら主として従事する事務所等では、その者を専任宅建士とみなす
3項手続基準に抵触する事務所等は開設できず、既存が抵触に至ったら2週間以内に適合させる措置を執る

具体例

宅建業者A社の甲事務所では業務に従事する者が11人いて、成年の専任宅建士はBとCの2人だけだった。

従事者5人に1人以上なので11人では3人が要り、2人の配置は基準に抵触する。

反例(結論が変わる)

同じ甲事務所で、従事者を10人に減らして専任宅建士はBとCの2人のままとした場合に変えます。

10人なら2人で基準を満たすので、設置義務に適合する。

関連条との違い

  • 宅建業法 第50条:50条1項の標識掲示は同じ「事務所等」への掲示義務。31条の3は人の配置、50条は標識の掲示で、同じ場所でも義務の中身が違う
  • 宅建業法 第65条:31条の3に抵触したまま営業すると65条の指示・業務停止処分の対象になる。設置義務の不履行は処分につながる
  • 宅建業法 第31条の2:31条の2は従業者への必要な教育の努力義務です。31条の3は場所ごとの専任宅建士の人数を要求する義務で、努力するだけでは足りません。

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和4年 問26肢4

    既存の事務所が基準を欠いた場合の是正期限を30日とする誤り。期限内に適合させる期限は2週間

  • 宅建令和3年12月 問41肢1

    契約も申込受付もしない案内所にも設置義務があるとする誤り。義務が生じるのは契約・申込受付をする場所

  • 宅建平成26年 問28肢3

    案内所に事務所と同じ従事者5人に1人の割合を当てはめる誤り。案内所等は場所ごとに1人以上

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(4問)

従業者数と事務所の専任宅建士数

宅地建物取引業者A社の甲事務所では、宅建業に従事する者が11人いる。成年者である専任の宅地建物取引士を2人置けば、同事務所に必要な法定配置数を満たす。

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正解 ×

誤り。宅建業法第31条の3第1項は事務所等ごとに省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置くことを求める。事務所では宅建業に従事する者5人に1人以上の割合が必要であり、11人なら端数を切り上げて3人を要する。2人では不足するため、A社は甲事務所の法定配置数を満たしていない。

学習ポイント:事務所は従業者5人に専任宅建士1人以上。11人なら3人必要。

第31条の3第1項、宅地建物取引業法施行規則第15条の5の3

案内所における専任宅建士の配置

宅地建物取引業者B社が、10戸以上の一団の分譲マンションの販売のために設けた現地案内所で売買契約の申込みを受け付ける場合、その案内所に成年者である専任の宅地建物取引士を1人以上置く必要がある。

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正解 ○

正しい。第31条の3第1項は、事務所だけでなく国土交通省令で定める案内所等についても専任の宅地建物取引士の配置を求める。10戸以上の一団の建物の分譲を案内所を設置して行う場合のその案内所(規則15条の5の2)で契約の申込みを受け付けるときは、少なくとも1人の成年者である専任の宅建士を置く必要がある(規則15条の5の3)。

学習ポイント:契約申込みを受け付ける案内所等には、その場所ごとに専任宅建士が必要。

第31条の3第1項、宅地建物取引業法施行規則第15条の5の2・第15条の5の3

専任宅建士が不足した場合の補充期限

宅地建物取引業者C社の乙事務所では、専任宅建士の退職で法定数を下回った。C社は退職から1か月以内に後任を置けば、宅建業法第31条の3が定める是正期限に適合する。

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正解 ×

誤り。宅建業法第31条の3第3項は、既存の事務所等が法定の専任宅建士数に抵触するに至ったときは、2週間以内に必要な措置を執るよう定める。退職によって不足が生じた場合も同じであり、1か月という猶予期間はない。C社は不足を認識したうえで2週間以内に適法な配置へ戻す必要がある。

学習ポイント:既存の事務所等で専任宅建士が不足したら、2週間以内に必要な措置を執る。

第31条の3第3項

宅建士である役員の専任者数への算入

宅地建物取引業者D社の取締役Eは成年の宅地建物取引士であり、甲事務所で自ら主として宅建業の業務に従事している。この場合、Eが取締役であることは、甲事務所の成年者である専任宅建士とみなすことの妨げにならない。

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正解 ○

正しい。宅建業法第31条の3第2項は、法人の役員が宅地建物取引士である場合、その者が自ら主として業務に従事する事務所等については、成年者である専任の宅地建物取引士とみなす。役員という地位だけで算入が否定されるわけではない。設問のEは宅建士であり、甲事務所で主として業務に従事しているので、同事務所の専任者として扱える。

学習ポイント:宅建士である役員は、主として業務に従事する事務所等で専任者とみなされる。

第31条の3第2項

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和6年 問29肢4

宅地建物取引業者は、その事務所唯一の専任の宅地建物取引士が宅地建物取引士証の有効期間の経過により効力を失い宅地建物取引士でなくなったときは、2週間以内に法第31条の3第1項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。

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正しい

正しい。唯一の専任取引士が取引士でなくなったときは2週間以内に必要な措置(新たな専任取引士の設置等)が必要。

宅建令和6年 問39肢1

届出をすべき場所として、継続的に業務を行うことができる施設を有する場合で事務所以外のものが定められているが、当該場所には1名以上の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。

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正しい

正しい。継続的業務を行う施設の案内所等には成年の専任取引士1名以上が必要。

宅建令和4年 問26肢4

宅地建物取引業者は、その事務所ごとに一定の数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならないが、既存の事務所がこれを満たさなくなった場合は、30日以内に必要な措置を執らなければならない。

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誤り

誤り。専任取引士が不足した場合の措置期限は2週間以内(30日ではない)。

宅建令和3年12月 問41肢1

宅地建物取引業者Aは、一団の宅地建物の分譲をするため設置した案内所には、契約を締結することなく、かつ、契約の申込みを受けることがないときでも、1名以上の専任の宅地建物取引士を置かなければなら ない。

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誤り

誤り。契約締結・申込受付をしない案内所には専任取引士を置く必要はない。

宅建令和3年12月 問41肢2

宅地建物取引業者Bは、その主たる事務所に従事する唯一の専任の宅地建物取引士が退職したときは、2週間以内に、宅地建物取引業法第31条の3第1項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。

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正しい

正しい。唯一の専任取引士が退職した場合、2週間以内に必要な措置(新たな設置)を執る。

宅建令和3年12月 問41肢3

宅地建物取引業者Cが、20戸の一団の分譲建物の売買契約の申込みのみを受ける案内所甲を設置した場合、売買契約の締結は事務所乙で行うとしても、甲にも専任の宅地建物取引士を置かなければならない。

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正しい

正しい。申込み受付のみでも専任取引士の設置が必要。

宅建令和3年12月 問41肢4

法人である宅地建物取引業者D社の従業者であり、宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する18歳未満の宅地建物取引士Eは、D社の役員であるときを除き、D社の専任の宅地建物取引士となることができない。

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正しい

正しい。18歳未満の取引士は役員であるときを除き専任取引士になれない。

宅建令和3年10月 問29肢4

宅地建物取引業者は、事務所以外の継続的に業務を行うことができる施設を有する場所であっても、契約(予約を含む。)を締結せず、かつ、その申込みを受けない場合、当該場所に専任の宅地建物取引士を置く必要はない。

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正しい

正しい。契約締結・申込み受付をしない場所には専任の取引士を置く必要はない。

宅建令和2年12月 問38ア

宅地建物取引業者は、事務所に置く唯一の専任の宅地建物取引士が退任した場合、その日から30日以内に新たな専任の宅地建物取引士を設置し、その設置の日から2週間以内に、専任の宅地建物取引士の変更があった旨を免許権者に届け出なければならない。

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誤り

誤り。専任取引士の変更届は変更があった日から2週間以内で、設置期限30日+届出2週間の枠組み自体は誤り(専任取引士がいなくなった場合は『2週間以内』に新たに設置しなければならない—30日ではない)。

宅建令和元年 問35肢2

Aは、その主たる事務所に従事する唯一の専任の宅地建物取引士Dが令和元年5月15日に退職したため、同年6月10日に新たな専任の宅地建物取引士Eを置いた。

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違反する

違反する。専任取引士が退職後、2週間以内に新たな取引士を置く必要があり、約1か月後の設置は違反。

ほか3肢は、各過去問のページで確認できます。

問題で確認する

第31条の3の内容は4問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。