資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第五章の二 宅地建物取引業保証協会

宅地建物取引業法 第64条の9(弁済業務保証金分担金の納付等)

分野:指定保証機関・指定保管機関・保証協会

出題試験:宅建

この条の要点

  • 加入時の分担金:協会加入時の分担金は加入しようとする日までに納付する。
  • 事務所増設時の分担金:社員の事務所増設では、増設日から二週間以内に追加分担金を納める。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第64条の9(弁済業務保証金分担金の納付等)

次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる日までに、弁済業務保証金に充てるため、主たる事務所及びその他の事務所ごとに政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。

一 宅地建物取引業者で宅地建物取引業保証協会に加入しようとする者その加入しようとする日

二 第六十四条の二第一項の規定による指定の日にその指定を受けた宅地建物取引業保証協会の社員である者前条第一項の規定により国土交通大臣の指定する弁済業務開始日の一月前の日

②宅地建物取引業保証協会の社員は、前項の規定による弁済業務保証金分担金を納付した後に、新たに事務所を設置したとき(第七条第一項各号の一に該当する場合において事務所の増設があつたときを含むものとする。)は、その日から二週間以内に、同項の政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該宅地建物取引業保証協会に納付しなければならない。

③宅地建物取引業保証協会の社員は、第一項第二号に規定する期日までに、又は前項に規定する期間内に、これらの規定による弁済業務保証金分担金を納付しないときは、その地位を失う。

④第一項の規定に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、弁済業務保証金の追加の供託及び弁済業務保証金分担金の追加納付又は弁済業務保証金の取戻し及び弁済業務保証金分担金の返還に関して、所要の経過措置(経過措置に関し監督上必要な措置を含む。)を定めることができる。

条文の要点

弁済業務保証金分担金の納付とは、保証協会の社員が弁済の原資に充てる負担金を、事務所ごとの額で協会へ納める義務です(64条の9第1項)。

期限は場面で分かれ、加入時は加入しようとする日まで、事務所を新設したときは設置日から2週間以内です。金銭で納付し、増設分を期限内に納めない社員はその地位を失います。

弁済業務保証金分担金の納付の期限の使い分け

加入時は『加入しようとする日まで』で加入後の猶予はなく、事務所の増設時だけ設置日から2週間の猶予があります。協会が受け取った分担金相当額を1週間以内に供託するのは64条の7の協会側の義務で、社員の納付期限とは別の期間です。

項役割内容
1項要件加入しようとする業者は加入しようとする日までに、主たる事務所とその他の事務所ごとに政令の額を協会へ納付する
2項手続納付後に新たに事務所を設置したときは、設置の日から2週間以内に追加分を納付する
3項効果協会指定時の社員が1項2号の期日までに納付しない場合や、増設分を2項の期間内に納付しない場合は、社員の地位を失う

具体例

宅建業者Aは保証協会Bへ加入しようとしています。Aは加入予定日より前に所定額の分担金をBへ金銭で納めました。

加入しようとする日までという64条の9第1項1号の納付期限に適合します。

反例(結論が変わる)

同じ加入の予定で、Aが分担金を納めるのは加入予定日の1週間後に変更した場合を比べます。

加入時には加入後2週間という猶予はなく、加入しようとする日までの納付期限に適合しません。増設時の2週間とは別です。

関連条との違い

  • 宅建業法 第25条:25条の営業保証金は社員でない業者が供託所へ直接供託する。分担金は協会へ納付して協会が供託するので、納める先と供託の主体が違う
  • 宅建業法 第64条の7:64条の7の供託は協会が分担金を受けてから1週間以内にする手続。社員の納付期限とは別の時限が動く
  • 宅建業法 第64条の10:64条の10の還付充当金は還付後に通知を受けてから2週間以内の事後補てん。分担金は事前の積立てで、納付の契機が違う

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和元年 問33肢1

    分担金は加入の日から2週間以内に納めればよいとする誤り。加入時は加入しようとする日が期限

  • 宅建令和4年 問39肢3

    分担金を国債などの有価証券で納付できるとする誤り。金銭での納付だけが認められる

  • 宅建令和2年12月 問30肢1

    本店と3支店の分担金を110万円とする誤り。本店60万円に支店1か所30万円ずつを足すので、この構成では150万円です。

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(2問)

加入時の分担金

宅建業者Aが保証協会Bへ加入しようとする場合、Aは加入日までに弁済業務保証金分担金をBへ納付する必要があり、加入後二週間の猶予が当然に与えられるわけではない。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。第64条の9第1項第1号は、保証協会に加入しようとする宅建業者の分担金納付期限を『加入しようとする日』とする。一方、社員が分担金を納めた後に新たな事務所を設けた場合には同条第2項の二週間以内という期限がある。加入時と事務所増設時を混同して、加入後納付で足りると考えてはならない。

学習ポイント:協会加入時の分担金は加入しようとする日までに納付する。

第64条の9第1項第1号・第2項

事務所増設時の分担金

保証協会の社員Cが分担金を納めた後、新たに従たる事務所を設けた。Cは増設日から二週間以内に、その事務所分の弁済業務保証金分担金を協会へ追加納付しなければならない。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。第64条の9第2項は、社員が新たな事務所を設けたとき、設置の日から二週間以内に政令所定額の分担金を保証協会へ納めるよう求める。この期限は、協会が分担金を受け取ってから弁済業務保証金を供託する一週間とは別である。追加分担金を期間内に納付しない社員は、同条第3項により社員の地位を失う。

学習ポイント:社員の事務所増設では、増設日から二週間以内に追加分担金を納める。

第64条の9第2項・第3項、第64条の7第1項

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和6年 問36肢1

宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入しようとする日までに、政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該保証協会に納付しなければならない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。加入日までに分担金を納付する必要がある。

宅建令和4年 問39肢3

保証協会の社員が弁済業務保証金分担金を納付した後に、新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に保証協会に納付すべき弁済業務保証金分担金について、国債証券をもって充てることができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。弁済業務保証金分担金は金銭で納付しなければならず(宅建業法64条の9第1項・2項)、国債証券をもって充てることはできない。新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に納付しなければならない。

宅建令和3年12月 問39肢3

宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は、その加入した日から1週間以内に、政令で定める額の弁済業務保証金分担金を当該保証協会に納付しなければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。弁済業務保証金分担金は加入の日から『2週間』以内に納付(1週間ではない)。

宅建令和2年12月 問30肢1

本店と3つの支店を有する宅地建物取引業者が保証協会に加入しようとする場合、当該保証協会に、110万円の弁済業務保証金分担金を納付しなければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。本店+3支店の分担金は60万+30万×3=150万円。

宅建令和2年10月 問36肢1

保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で弁済を受ける権利を有する。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。弁済の限度は分担金額ではなく、社員の供託すべき営業保証金相当額。

宅建令和元年 問33肢1

宅地建物取引業者で保証協会に加入した者は、その加入の日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。分担金の納付は加入の日からではなく、社員となるまでに納付が必要(加入時に納付)。

宅建令和元年 問33肢3

保証協会の社員は、新たに事務所を設置したにもかかわらずその日から2週間以内に弁済業務保証金分担金を納付しなかったときは、保証協会の社員の地位を失う。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。新たな事務所設置から2週間以内に分担金を納付しなければ社員の地位を失う(法64条の9)。

宅建平成24年 問43肢3

保証協会の社員との宅地建物取引業に関する取引により生じた債権を有する者(宅建業者を除く)は、当該社員が納付した弁済業務保証金分担金の額に相当する額の範囲内で、弁済を受ける権利を有する。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。弁済を受けられるのは、当該社員の納付した分担金相当額に限定されず、供託された弁済業務保証金の額の範囲内で債権の弁済を受けられる(法64条の9)。

問題で確認する

第64条の9の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。