資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二章 抗告訴訟/第二節 その他の抗告訴訟

行政事件訴訟法 第37条の5(仮の義務付け及び仮の差止め)

分野:抗告訴訟/その他の抗告訴訟

出題試験:行政書士

この条の要点

  • 仮の義務付け・仮の差止めの要件:仮の義務付け・差止めは償うことのできない損害+本案理由あり+申立て。
  • 仮の義務付け等の発動形式:仮の義務付け・差止めは申立てによる。職権ではできない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第37条の5(仮の義務付け及び仮の差止め)

義務付けの訴えの提起があつた場合において、その義務付けの訴えに係る処分又は裁決がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、仮に行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずること(以下この条において「仮の義務付け」という。)ができる。

②差止めの訴えの提起があつた場合において、その差止めの訴えに係る処分又は裁決がされることにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があり、かつ、本案について理由があるとみえるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、仮に行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずること(以下この条において「仮の差止め」という。)ができる。

③仮の義務付け又は仮の差止めは、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、することができない。

④第二十五条第五項から第八項まで、第二十六条から第二十八条まで及び第三十三条第一項の規定は、仮の義務付け又は仮の差止めに関する事項について準用する。

⑤前項において準用する第二十五条第七項の即時抗告についての裁判又は前項において準用する第二十六条第一項の決定により仮の義務付けの決定が取り消されたときは、当該行政庁は、当該仮の義務付けの決定に基づいてした処分又は裁決を取り消さなければならない。

この条文の〇×問題(2問)

仮の義務付け・仮の差止めの要件

差止めの訴えを起こした者が、処分がなされれば取り返しのつかない損害になる恐れがあり緊急に防ぐ必要があり、本案の請求にも筋があると見える場合には、申立てによって仮の差止めの決定を求めることができる。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。仮の義務付け・仮の差止めは、償うことのできない損害を避ける緊急の必要と本案について理由があるとみえることの二要件を要し、申立てにより決定で行われる。執行停止の重大な損害より厳格な「償うことのできない損害」が要件となり、本案の理由の見込みも必要とされる点が重要である。

学習ポイント:仮の義務付け・差止めは償うことのできない損害+本案理由あり+申立て。

第37条の5第1項・2項

仮の義務付け等の発動形式

仮の義務付け又は仮の差止めは、償うことのできない損害を避ける緊急の必要などの要件を満たすときは、当事者の申立てがなくても裁判所が職権ですることができる。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。仮の義務付け・仮の差止めは「申立てにより」決定をもってするとされており、職権による発動は認められない。要件を満たしても当事者の申立てがなければできない点がひっかけであり、執行停止と同様に申立て主義が貫かれている。

学習ポイント:仮の義務付け・差止めは申立てによる。職権ではできない。

第37条の5第1項・2項

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和7年 問19オ

仮の差止めは、処分差止めの訴えを提起する前においても申し立てることができるが、本案について理由がないとみえるときは、仮の差止めの決定をすることができない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。仮の差止めは差止めの訴えの提起が前提であり、償うことのできない損害を避ける緊急の必要と、本案について理由があるとみえることを要する(行訴37条の5第2項)。

行政書士令和5年 問18イ

正誤と理由を見る

誤り

誤り。執行停止を定める行政事件訴訟法25条は、義務付け訴訟・差止訴訟には準用されておらず(これらには仮の義務付け・仮の差止め(37条の5)が用意されている)、前半は正しい。しかし、当事者訴訟にも準用されていない(41条1項参照)から、後半が誤り。

行政書士令和2年 問19肢4

処分がされないことにより生ずる償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある場合には、当該処分につき義務付け訴訟を提起しなくとも、仮の義務付けのみを単独で申し立てることができる。

正誤と理由を見る

誤り

仮の義務付けは本案の義務付け訴訟の係属を前提とし、単独申立てはできない(行訴37条の5)。誤り。

行政書士平成25年 問16肢4

申請型と非申請型の義務付け訴訟いずれにおいても、「償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある」ことなどの要件を満たせば、裁判所は、申立てにより、仮の義務付けを命ずることができることとされている。

正誤と理由を見る

正しい

仮の義務付け(行訴法37条の5)は申請型・非申請型のいずれにも定められ、償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある場合等に申立てにより命ずることができる。正しい。

問題で確認する

第37条の5の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。