第二章 保全命令に関する手続/第四節 保全取消し
民事保全法 第39条(特別の事情による保全取消し)
この条の要点
- 仮処分の担保付取消し:償えない損害のおそれ等の特別事情あれば担保条件で仮処分を取消せる。疎明必要。
- 担保付取消しの対象:特別事情による担保付取消しは仮処分のみ。仮差押えの解放は定額供託の経路。
条文原文
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第39条(特別の事情による保全取消し)
仮処分命令により償うことができない損害を生ずるおそれがあるときその他の特別の事情があるときは、仮処分命令を発した裁判所又は本案の裁判所は、債務者の申立てにより、担保を立てることを条件として仮処分命令を取り消すことができる。
②前項の特別の事情は、疎明しなければならない。
③第十六条本文及び第十七条の規定は、第一項の申立てについての決定について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
仮処分の担保付取消し
仮処分が発令されたことで債務者乙に回復不能な損害が生じるおそれがあるなど特別の事情がある場合、乙の申立てにより、担保の提供を条件とした上で当該仮処分を取り消すことができる。
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正解 ○
正しい。仮処分命令により償えない損害を生ずるおそれがあるときその他の特別の事情があるときは、発令裁判所又は本案の裁判所が債務者の申立てにより担保を立てることを条件として取り消せる。特別の事情は疎明を要する。仮処分の仮の履行が債務者に与える影響の重大性を調整する規定である。
学習ポイント:償えない損害のおそれ等の特別事情あれば担保条件で仮処分を取消せる。疎明必要。
第39条1項・2項
担保付取消しの対象
償うことができない損害を生ずるおそれなどの特別の事情があれば、仮差押命令についても同様に債務者の申立てにより担保を条件として取り消すことができる。
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正解 ×
誤り。担保を立てることを条件として特別の事情により取り消せるのは仮処分命令に限られ、仮差押命令にはこの規定は及ばない。仮差押えの債務者は命令に定められた額の供託により執行の停止・取消しを求めるのが解放の経路であり、制度の適用範囲を仮差押えに拡張する命題は誤りである。
学習ポイント:特別事情による担保付取消しは仮処分のみ。仮差押えの解放は定額供託の経路。
第39条1項、関連:第22条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和6年度 問41イ
保全命令に対しては、その命令につき不服のある債務者は、即時抗告をすることができる。
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誤り
誤り。即時抗告ができるのは保全命令の申立てを却下する裁判に対する債権者である(民保19条)。保全命令自体に対する債務者の即時抗告は認められず、債務者は保全異議(26条)・保全取消(37条・38条・39条)の申立てをする。
司法書士平成27年度 問41オ
仮処分命令を発した裁判所又は本案の裁判所は、仮処分命令により償うことができない損害を生ずるおそれがあるときその他の特別の事情があるときは、債務者の申立てにより、担保を立てることを条件として仮処分命令を取り消すことができる。
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正しい
正しい。仮処分命令は、償うことができない損害を生ずるおそれがあるとき等特別の事情があるときは、担保を条件に取り消すことができる(民保39条)。
解説で第39条を参照している問
問題で確認する
第39条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。