第一編 総則/第五章 法律行為/第三節 代理
民法 第112条(代理権消滅後の表見代理等)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 代理権消滅後の行為に対する本人の責任:代理権消滅後の範囲内の行為でも、消滅を知らない無過失の第三者に対しては本人が責任を負う。
- 消滅の事実を過失により知らなかった第三者:消滅を知らなかった第三者でも、不知に過失があれば但書により本人は責任を負わない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第112条(代理権消滅後の表見代理等)
他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。
②他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。
この条文の〇×問題(2問)
代理権消滅後の行為に対する本人の責任
甲は、乙に与えていた代理権を解任によって消滅させた。その後、乙が消滅前の権限の範囲内で丙と契約をした場合、丙が代理権の消滅の事実を知らず、知らなかったことに過失もなかったときは、甲はその契約について責任を負う。
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正解 ○
正しい。民法112条1項は、代理権の消滅後にその権限の範囲内でされた行為について、消滅の事実を知らなかった第三者の信頼を保護し、本人に責任を負わせる(代理権消滅後の表見代理)。第三者が過失によって知らなかったときは但書により免責される。
学習ポイント:代理権消滅後の範囲内の行為でも、消滅を知らない無過失の第三者に対しては本人が責任を負う。
第112条1項、関連:第111条2項
消滅の事実を過失により知らなかった第三者
代理権の消滅後に元代理人が消滅前の権限の範囲内で行為をした場合、第三者が消滅の事実を知らなかったのであれば、その不知が過失によるものであっても、本人はその行為についての責任を免れない。
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正解 ×
誤り。民法112条1項ただし書は、第三者が過失によって消滅の事実を知らなかったときは本人の責任を免除する。保護されるのは善意かつ無過失の第三者に限られ、消滅を確認しなかった過失がある第三者には信頼保護の要請が及ばない。
学習ポイント:消滅を知らなかった第三者でも、不知に過失があれば但書により本人は責任を負わない。
第112条1項ただし書
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和3年12月 問5肢4
BがAに与えた代理権が消滅した後にAが行った代理権の範囲内の行為について、相手方Cが過失によって代理権消滅の事実を知らなかった場合でも、Bはその責任を負わなければならない。
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誤り
誤り。代理権消滅後の表見代理は相手方が善意無過失の場合に限り成立し、Cに過失があればBは責任を負わない(民法112条)。
宅建令和2年12月 問2肢3
AがBに授与した代理権が消滅した後、BがAの代理人と称して、甲土地をEに売却した場合、AがEに対して甲土地を引き渡す責任を負うことはない。
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誤り
誤り。代理権消滅後の代理行為でも、Eが代理権の消滅を知らず過失がなければ表見代理が成立し、AはEに責任を負いうる(民法112条)。
解説で第112条を参照している問
問題で確認する
第112条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。