第一編 総則/第五章 法律行為/第三節 代理
民法 第109条(代理権授与の表示による表見代理等)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 代理権授与の表示による本人の責任:本人が代理権授与を第三者に表示した場合、実際の授与がなくても表示された範囲内の行為は本人の責任となる。
- 権限授与の表示の主体:表見代理の基礎となる権限授与の表示は本人自身によるものに限られ、代理人の自称では足りない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第109条(代理権授与の表示による表見代理等)
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
②第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。
この条文の〇×問題(2問)
代理権授与の表示による本人の責任
甲社は、取引先の乙に対し、丙を担当者として商品の売買契約を締結する権限を与えた旨を表示していた。実際には丙にその権限が与えられていなかったが、丙が表示された権限の範囲内で乙と売買契約を締結した場合、乙が丙に権限が与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったのでなければ、甲社はその契約について責任を負う。
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正解 ○
正しい。民法109条1項は、第三者に対して代理権を与えた旨を表示した者に対し、表示された権限の範囲内でされた行為につき責任を負わせる(表示による表見代理)。実際に権限を与えていなくても、表示への第三者の正当な信頼を保護するためだ。悪意・有過失の第三者には但書により責任を負わない。
学習ポイント:本人が代理権授与を第三者に表示した場合、実際の授与がなくても表示された範囲内の行為は本人の責任となる。
第109条1項
権限授与の表示の主体
代理人と名乗る者が、本人から取引の権限を与えられている旨を自ら第三者に告げ、その権限と称する範囲内で第三者と契約をした場合、権限授与の旨の表示があったのと同様に扱われ、実際に権限がなくても本人はその契約について責任を負う。
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正解 ×
誤り。民法109条1項の表見代理が成立するには、本人が第三者に対して代理権を与えた旨を表示したことが要件であり、代理人と名乗る者が自ら権限を自称しただけでは足りない。自称は本人による表示に当たらず、本人の帰責性を基礎づけない。
学習ポイント:表見代理の基礎となる権限授与の表示は本人自身によるものに限られ、代理人の自称では足りない。
第109条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和3年12月 問5肢2
BがAに代理権を与えていないにもかかわらず代理権を与えた旨をCに表示し、Aが当該代理権の範囲内の行為をした場合、CがAに代理権がないことを知っていたとしても、Bはその責任を負わなければならない。
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誤り
誤り。代理権授与の表示による表見代理は、相手方が無権限を知っていた場合は成立しない(民法109条)。
解説で第109条を参照している問
問題で確認する
第109条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。