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第一編 総則/第五章 法律行為/第三節 代理

民法 第113条(無権代理)

分野:代理

出題試験:宅建重要度 高行政書士重要度 高司法書士重要度 高マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 無権代理行為の効力と追認の遡及:無権代理の契約は無効ではなく効力未発生の行為で、本人の追認により契約時に遡って有効となる。
  • 追認・拒絶の相手方に対する対抗要件:追認・拒絶は契約相手方への意思表示でなければ対抗できず、相手方が知った場合だけ例外となる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第113条(無権代理)

代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。

②追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

条文の要点

無権代理とは、代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約で、本人の追認がなければ本人に効力を生じません(113条1項)。

無効ではなく効力未発生の行為で、追認があれば契約時にさかのぼって有効になります。追認・拒絶は相手方に対してしなければ対抗できませんが、相手方が知ったときは対抗できます。

無権代理の効力と追認の対抗

追認の有無が定まるまで、相手方は相当期間を定めた催告で確答を求められ(114条)、本人が追認しない間は善意の相手方が取り消せます(115条)。追認を相手方以外に表示しても対抗できません。

項役割内容
1項効果本人が追認をしなければ、本人に対して効力を生じない
2項本文要件追認又は拒絶は相手方に対してしなければ対抗できない
2項ただし書例外相手方がその事実を知ったときは対抗できる

具体例

代理権のないBがAの代理人としてCと売買契約を結び、AはBにだけ追認の意思を伝えました。

追認が相手方Cに対してされておらずCが知らない間は対抗できず、Cは契約を取り消せます。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、CがAの追認の事実を知った場合に変えます。

但書により追認を対抗でき、効力は契約時にさかのぼって生じるため、Cは取り消せません。

関連条との違い

  • 民法 第119条:無効な行為は追認でも効力が発生しない(119条)。無権代理は追認で有効になる点が違う
  • 民法 第115条:相手方は本人が追認しない間契約を取り消せるが、契約時に無権代理を知っていたときはできない
  • 民法 第116条:追認は別段の意思表示がなければ契約時にさかのぼる。第三者の権利は害せない

過去問で誤りとされた肢の型

  • 司法書士平成30年度 問5ウ

    無権代理とみなされる行為を確定的な無効とする誤り。本人の追認で有効になる

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年6月24日施行版

この条文の〇×問題(2問)

無権代理行為の効力と追認の遡及

代理権を有しない者が本人の代理人として締結した契約は、当然に無効となるものではなく、本人が追認をしない間は本人に対して効力を生じないが、本人が追認をすれば、別段の意思表示がない限り契約の時にさかのぼって効力を生ずる。

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正解 ○

正しい。民法113条1項は、無権代理の契約を本人の追認がなければ本人に効力を生じない未確定の行為とし、116条により追認は別段の意思表示がない限り契約時に遡って効力を生ずる。無効と異なり、本人の追認によって確定的に有効となる行為である。

学習ポイント:無権代理の契約は無効ではなく効力未発生の行為で、本人の追認により契約時に遡って有効となる。

第113条1項、関連:第116条

追認・拒絶の相手方に対する対抗要件

本人が、代理権を有しない者がした契約を追認する旨をその契約の相手方以外の者に対して意思表示した場合でも、追認の意思表示が存在する以上、その契約の相手方に対して追認の効果を主張することができる。

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正解 ×

誤り。民法113条2項は、追認又はその拒絶は相手方に対してしなければその相手方に対抗することができないと定める。相手方以外への意思表示では追認の効果を相手方に対抗できない。ただし相手方がその事実を知ったときは対抗できる。

学習ポイント:追認・拒絶は契約相手方への意思表示でなければ対抗できず、相手方が知った場合だけ例外となる。

第113条2項

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和元年 問33肢4

BがAから甲の管理を頼まれていなかった場合においては、BがAの名において窓ガラスの取換えを業者Dに発注したとしても、Aの追認がない限り、Dは、Aに対してその請負契約に基づいて代金の支払を請求することはできない。

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妥当である

Aの名義での発注は無権代理で追認なくDはAに請求できない(民法113条)。妥当。

行政書士平成28年 問28肢1

Aが死亡してBが単独相続した場合、Bは本人の資格に基づいて本件売買契約につき追認を拒絶することができない。

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妥当である

A死亡後Bが単独相続すればBは本人の資格を承継し、無権代理人としての地位と矛盾する追認拒絶はできない。妥当。

司法書士令和5年度 問6エ

Bが、Aに対して、本件売買契約を追認した場合であっても、Cが当該追認の事実を知らないときは、Cは本件売買契約を取り消すことができる。

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正しい

正しい。本人が無権代理人に対してした追認は、相手方がその事実を知るまで相手方に対抗できない(113条2項)。Cは追認を知らない間は契約を取り消せる。

司法書士平成30年度 問5ウ

正誤と理由を見る

誤り

誤り。双方代理は代理権を有しない者がした行為とみなされ(民法108条1項)、無権代理となるだけで無効とはならず、本人の追認により有効となる(113条1項)。

司法書士平成28年度 問5ア

本件売買契約の締結後にBがAに対して追認をした場合において、追認の事実をCが知らないときは、これをCに対抗することができない。

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正しい

正しい。本人が無権代理人にした追認は、相手方が追認の事実を知らないときはこれを対抗できない(民法113条但書・大審院判例)。

宅建平成24年 問4肢1

Bの無権代理行為をAが追認した場合には、AC間の売買契約は有効となる。

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正しい

正しい。無権代理行為は本人の追認により有効となり、追認は契約時に遡って効力を生じる(民法113条・116条)。

管業令和5年度 問3肢1

Aの行為は無権代理行為であるが、Bが追認をすれば、本件売買契約は有効となる。

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正しい

正しい。無権代理行為でも本人が追認すれば契約は有効となる。

問題で確認する

第113条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。