第一編 総則/第七章 時効/第一節 総則
民法 第146条(時効の利益の放棄)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 時効利益の事前放棄の禁止:時効利益はあらかじめ放棄できないが、時効完成後の放棄は可能。
- 完成前の承認と利益放棄の区別:完成前の承認は利益放棄ではなく時効の更新事由として有効。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第146条(時効の利益の放棄)
時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。
この条文の〇×問題(2問)
時効利益の事前放棄の禁止
金銭債権の債務者が、消滅時効の完成前に債権者との間で将来時効が完成してもその利益を主張しない旨の合意をした場合、この合意によって債務者は時効を援用する権利を失う。
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正解 ×
誤り。時効の利益はあらかじめ放棄することができないため、時効の完成前に援用をしない旨の合意をしても効力はなく、債務者は時効完成後に時効を援用できる。もっとも完成後に時効の利益を放棄することは可能であり、完成前か完成後かの区別を要する。
学習ポイント:時効利益はあらかじめ放棄できないが、時効完成後の放棄は可能。
第146条
完成前の承認と利益放棄の区別
消滅時効の期間の経過中に債務者が債務の存在を認める承認をした場合、その承認は時効の利益をあらかじめ放棄する行為に当たるため効力を有せず、時効の進行に影響を与えない。
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正解 ×
誤り。利益の放棄は時効の完成によって得られる利益を捨てる行為であって事前にはできないのに対し、権利の承認は期間の経過中に時効を更新させる別の制度上の事由である。承認があれば時効はその時から新たに進行を始め、更新の効果は有効に生じる。
学習ポイント:完成前の承認は利益放棄ではなく時効の更新事由として有効。
第146条、関連:第152条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和6年度 問6オ
主たる債務者が主たる債務について時効の利益を放棄した場合においても、保証人は、主たる債務の消滅時効を援用することができる。
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正しい
正しい。時効利益の放棄は援用権者に対する関係でのみ効力を有し(146条)、主債務者が時効利益を放棄しても保証人は消滅時効を援用できる。
司法書士令和3年度 問6オ
債務者は、消滅時効完成前に時効の利益を放棄することができる。
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誤り
誤り。時効の利益はあらかじめ放棄することができない(146条)。
管業令和4年度 問2肢2
時効の利益は、時効完成後には放棄することができない。
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誤り
誤り。時効の利益は時効の完成前に放棄することができないとされるが、完成後は放棄することができる。
管業令和3年度 問5肢4
Aの管理規約において、各区分所有者は、Aに対する債務の消滅時効を主張することができない旨が定められていた場合には、区分所有者Eは、滞納した管理費の債務について、時効が完成したとしても、それによる債務の消滅を主張することができない。
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誤り
誤り。時効の利益の放棄は時効完成後でなければできず、完成前の放棄の規約の定めは無効である。
解説で第146条を参照している問
問題で確認する
第146条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。