第一編 総則/第七章 時効/第二節 取得時効
民法 第163条(所有権以外の財産権の取得時効)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 自己のためにする意思という要件表現:所有権以外の財産権に必要なのは自己のためにする意思で、所有の意思は要求されない。
- 地役権の時効取得の限界:地役権の時効取得は継続的かつ外形上認識できるものに限る。通行地役権は通路開設が必要。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第163条(所有権以外の財産権の取得時効)
所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。
この条文の〇×問題(2問)
自己のためにする意思という要件表現
地上権の時効取得が問題となる場合でも、占有者が自己のためにする意思をもって平穏かつ公然とその権利を行使していれば足り、所有権の時効取得におけるような所有の意思を有することを要しない。
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正解 ○
正しい。民法163条は、所有権以外の財産権を「自己のためにする意思をもって」平穏かつ公然と行使する者が時効により権利を取得すると定める。地上権や地役権などの権利には所有の意思という概念がなじまず、要求されるのは自己のために権利を行使する意思である。
学習ポイント:所有権以外の財産権に必要なのは自己のためにする意思で、所有の意思は要求されない。
第163条
地役権の時効取得の限界
地役権についても、自己のためにする意思をもって二十年間行使を続ければ、通路の開設がないなど継続的な行使に当たらず、かつその存在が外形上認識できないものであっても、時効によって取得することができる。
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正解 ×
誤り。283条は、地役権は継続的に行使され、かつ外形上認識することができるものに限り時効によって取得できると定める。判例は、通行地役権の継続性について要役地所有者によって通路が開設されていることを要するとしており、単なる通行の頻度で決まるものではない。これらを欠く地役権は二十年を経過しても時効取得されない。
学習ポイント:地役権の時効取得は継続的かつ外形上認識できるものに限る。通行地役権は通路開設が必要。
第163条、関連:第283条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成31年度 問6ウ
賃借権は、時効により取得することができる。
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正しい
正しい。賃借権のような用益権も時効により取得し得る(民法163条・判例)。
解説で第163条を参照している問
問題で確認する
第163条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。