第二編 物権/第十章 抵当権/第二節 抵当権の効力
民法 第383条(抵当権消滅請求の手続)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 消滅請求書面の送付対象:消滅請求の書面送付先は登記をした各債権者全員で、一部への送付では足りない。
- 一部債権者の承諾では抵当権が消滅しない:消滅請求の実効には全登記債権者の承諾と払渡し・供託が必要で、一部承諾では消滅しない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第383条(抵当権消滅請求の手続)
抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。
一 取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面
二 抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記事項のすべてを証明したものに限る。)
三 債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面
この条文の〇×問題(2問)
消滅請求書面の送付対象
抵当不動産を取得した第三者が抵当権の消滅に向けた手続を進めるには、最も順位の高い抵当権者に対してのみ所定の書面を送付すれば足り、その余の登記債権者への送付は省略できる。
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正解 ×
誤り。消滅請求をする第三取得者は、登記をした各債権者に対し、取得経緯や不動産の内容・代価等を記した書面、登記事項証明書、競売申立てをしない場合の弁済・供託の申出書という3種の書面を送付しなければならない。先順位者だけへの送付では足りない。
学習ポイント:消滅請求の書面送付先は登記をした各債権者全員で、一部への送付では足りない。
第383条各号
一部債権者の承諾では抵当権が消滅しない
登記をした債権者のうち一部の者だけが第三取得者の提供した金額を承諾しその払渡しを受けた場合でも、他の債権者が承諾せず競売の申立てをしたときは、承諾した債権者に対する関係でも抵当権は消滅しない。
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正解 ○
正しい。抵当権が消滅するには、登記をしたすべての債権者が提供された代価又は金額を承諾し、かつ、第三取得者がその承諾を得た額を払い渡し又は供託することが必要である。一部の債権者の承諾・払渡しでは、承諾した者との間でも抵当権は消滅せず、競売申立てがあれば消滅請求の手続は実を結ばない。
学習ポイント:消滅請求の実効には全登記債権者の承諾と払渡し・供託が必要で、一部承諾では消滅しない。
関連:第386条・第383条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成31年度 問14ウ
抵当権によって担保されている債務を主債務とする保証の保証人は、抵当不動産を買い受けたときは、抵当権消滅請求をすることができる。
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誤り
誤り。保証人は抵当権消滅請求をすることができる者(抵当権の目的物について所有権その他の権利を有する第三者)には当たらず、抵当不動産を買い受けても保証人は消滅請求をすることができない(保証人は求償権者にすぎず、消滅請求権者でない)。
司法書士平成31年度 問14エ
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正しい
正しい。停止条件付きで抵当不動産を取得した者は、条件成就前は取得者とはいえないため、抵当権消滅請求をすることができない(民法383条)。
司法書士平成31年度 問14オ
抵当権消滅請求は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、しなければならない。
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正しい
正しい。抵当権消滅請求は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前にしなければならない(民法383条・判例)。
宅建平成28年 問4肢4
Bの抵当権設定後、Aが第三者であるFに甲土地を売却した場合、FはBに対して、民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。
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正しい
正しい。抵当不動産の第三取得者Fは民法383条の消滅請求手続により抵当権の消滅を請求できる。
解説で第383条を参照している問
問題で確認する
第383条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。