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第三編 債権/第一章 総則/第三節 多数当事者の債権及び債務/第五款 保証債務/第一目 総則

民法 第454条(連帯保証の場合の特則)

分野:保証

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 高マンション管理士重要度 高管理業務主任者重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 連帯保証人に残る主債務者の権利の援用:連帯保証で失うのは催告・検索の抗弉だけで、主債務者の相殺権・取消権・解除権による履行拒否は残る。
  • 連帯保証人の抗弉剥奪の効果:連帯保証人は債務者の資力・執行容易性にかかわらず催告・検索の抗弉を主張できない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第454条(連帯保証の場合の特則)

保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。

条文の要点

連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担する保証で、保証人は催告の抗弁と検索の抗弁を持ちません(454条)。

債権者は連帯保証人にいきなり履行を請求でき、保証人は主債務者への催告を求めることも主債務者の財産に先に執行させることもできません。失うのはこの2つの抗弁だけで、主債務者の相殺権・取消権・解除権による履行の拒絶は残ります(457条3項)。

連帯保証の効力と保証連帯との区別

連帯保証は保証人と主債務者の連帯で、保証人どうしが連帯する保証連帯(465条)とは別です。保証連帯の特約があっても各保証人は催告・検索の抗弁を失いません。連帯保証でも主債務者の抗弁を主張でき、主債務者が相殺権・取消権・解除権を持つときは、その行使で免れる限度で履行を拒めます(457条2項・3項)。

項役割内容
本文要件保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担したときに適用される
本文効果452条の催告の抗弁と453条の検索の抗弁を有しない

具体例

AはBのCへの賃料債務について連帯保証人になりました。Bが賃料を滞納し、CはいきなりAに保証債務の履行を請求しました。

Aは「まずBに催告せよ」「Bの財産に先に執行せよ」とは主張できず、請求どおり履行しなければなりません。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Aが主債務者と連帯しない通常の保証人だった場合に変えます。

AはまずBへの催告を請求でき、Bに弁済の資力があり執行が容易なことを証明すれば、Bの財産に先に執行させられます。

関連条との違い

  • 民法 第465条:保証連帯は保証人どうしの連帯で、各保証人の抗弁は残る。連帯保証は主債務者との連帯で、催告・検索の抗弁を失うのはこちらだけ
  • 民法 第457条:連帯保証でも主債務者の抗弁・相殺権・取消権・解除権は援用して履行を拒める。454条で失うのは催告・検索の抗弁の2つに限られる

過去問で誤りとされた肢の型

  • 司法書士平成31年度 問16ウ

    保証連帯の特約でも催告・検索の抗弁を失うとする誤り。抗弁を失わせるのは主債務者との連帯の方で、保証連帯とは別の制度

  • 賃管令和7年度 問28肢1

    連帯保証人への請求にも先に主債務者への請求が要るとする誤り。催告の抗弁がないので債権者はいきなり請求できる

  • マン管平成28年度 問13肢2

    主債務者の資力と執行容易を証明して請求を拒めるとする誤り。検索の抗弁も失われるので証明しても拒めない

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年6月24日施行版

この条文の〇×問題(2問)

連帯保証人に残る主債務者の権利の援用

主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人は、催告や検索に関する抗弉を有しないだけでなく、主たる債務者が債権者に対して有する相殺権や取消権の行使によって主たる債務者が債務を免れるべき限度において履行を拒むこともできない。

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正解 ×

誤り。454条により連帯保証人が失うのは催告の抗弉と検索の抗弉の2つのみで、457条3項の援用は残る。主たる債務者が債権者に対して相殺権・取消権・解除権を有するときは、その行使により債務を免れるべき限度で連帯保証人も履行を拒める。失われる権利を広げすぎている。

学習ポイント:連帯保証で失うのは催告・検索の抗弉だけで、主債務者の相殺権・取消権・解除権による履行拒否は残る。

第454条、関連:第457条2項・3項

連帯保証人の抗弉剥奪の効果

連帯して債務を負担する保証人は、主たる債務者が所在明らかで十分な弁済資力を有し執行も容易な場合であっても、債権者から履行を請求されれば、まず主たる債務者に催告するよう求めたり主たる債務者の財産に先に執行するよう求めたりすることはできない。

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正解 ○

正しい。主たる債務者と連帯して債務を負担した保証人は454条により催告の抗弉と検索の抗弉をいずれも有しない。債務者が資力豊富で執行が容易でも両抗弉は生じず、債権者は連帯保証人に直接履行を請求できる。債務者の状況が抗弉の可否を左右しないのが連帯保証の特質である。

学習ポイント:連帯保証人は債務者の資力・執行容易性にかかわらず催告・検索の抗弉を主張できない。

第454条、関連:第452条・第453条

この条文を解説で参照する過去問

司法書士平成31年度 問16ウ

主債務者Aの主債務についてB及びCの二人の保証人がある場合において、Bが全額を弁済する旨の保証連帯の特約があるときは、Bは、債権者から保証債務の履行を求められた際に検索の抗弁及び催告の抗弁を主張することができない。

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誤り

誤り。「保証連帯の特約」とは各保証人が全額を弁済すべき旨の特約(民法465条1項)であり、主債務者と連帯して負担する「連帯保証」(454条)とは別である。保証連帯の特約があっても催告の抗弁(452条)・検索の抗弁(453条)を失わせる454条の適用はなく、Bはこれらを主張できる。

賃管令和7年度 問28肢1

賃借人の債務に連帯保証人がある場合、賃貸人は、まずは賃借人に対し滞納賃料の支払を請求し、賃借人がその履行をしないときに限り、連帯保証人に対する請求をすることができる。

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誤り

誤り。連帯保証人には催告の抗弁権がなく、まず賃借人に請求する必要はない。

賃管令和3年度 問27肢4

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正しい

正しい。アは連帯保証人に検索の抗弁権がない点で誤り(民法454条)、エは賃借人の地位移転に保証債務は随伴せず原則消滅する点で誤り。

マン管令和3年度 問16肢1

Bが賃料の支払を怠り、Aから保証債務の履行を請求されたCは、Aに対し、まずBに対して賃料支払の催告をするよう請求することはできない。

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正しい

正しい。連帯保証人は主債務者への催告の抗弁権を有しない(民法454条)。

マン管令和元年度 問14肢3

CがBと連帯して保証する旨の特約があり、Bの賃料不払によりAがCに対して保証債務の履行を請求した場合、CはAに対し、まずBに対して履行の催告をするように請求することができる。

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誤り

誤り。連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権がないので、まずBに催告するよう請求することはできない。

マン管平成28年度 問13肢2

Bが本件保証契約に基づいて債務の履行をCに対して請求した場合に、Cは、Aに弁済をする資力があり、かつ、Aの財産に対する執行が容易であることを証明することによって、Bの請求を拒むことができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。連帯保証人には催告・検索の抗弁権がない(民法454条)。主債務者に資力があり執行が容易であることを証明しても、CはBの請求を拒めない。

問題で確認する

第454条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。