第三編 債権/第二章 契約/第十節 委任
民法 第643条(委任)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 法律行為でない事務の委託への準用:法律行為の委託が委任、事実行為の委託は準委任として委任の規定が準用される。
- 委任契約と代理権付与の区別:委任は内部の事務委託、代理権は別個の授与行為で生じる。契約成立=権限取得ではない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第643条(委任)
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
この条文の〇×問題(2問)
法律行為でない事務の委託への準用
甲が乙に対して自宅の清掃や庭の手入れといった事実上の作業を委託し、乙がこれを承諾した契約は、委任には該当しないものの、委任に関する規定が準用される。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。委任は法律行為をすることを委託し、相手方が承諾する契約である。清掃や庭の手入れのような法律行為でない事務の委託は厳密には委任ではないが、準委任として委任の規定が準用される。事実行為の委託だから規律が全く及ばないと考えるのは誤りである。
学習ポイント:法律行為の委託が委任、事実行為の委託は準委任として委任の規定が準用される。
第643条、関連:第656条
委任契約と代理権付与の区別
甲が乙との間で土地の売却手続きを委託する委任契約を締結した場合、乙はこの委任契約が成立しただけで、直ちに甲の代理人として第三者と売買契約を締結する権限を取得する。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。委任は事務の処理を委託する内部関係の契約であり、その成立だけでは代理権は生じない。代理人として第三者と契約を締結するには、委任とは別個に本人から代理権を授与されることが必要であり、委任と代理権の付与は区別される。
学習ポイント:委任は内部の事務委託、代理権は別個の授与行為で生じる。契約成立=権限取得ではない。
第643条、関連:第99条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成30年度 問19イ
この契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。委任も請負も諾成契約であり(民法643条・632条)、書面を要しない。いずれでも正しくない。
管業平成30年度 問1肢1
委任とは、当事者の一方が相手方のために法律行為をすることを約し、相手方がこれに対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約である。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。委任は法律行為をすることを委託し、相手方がこれを承諾する契約であり、報酬の支払いは委任の要件ではない。
解説で第643条を参照している問
問題で確認する
第643条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。