第一編 総則/第五章 法律行為/第二節 意思表示
民法 第93条(心裡留保)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 心裡留保の原則有効と無効の要件:心裡留保が無効になるには相手方の悪意か有過失が要る。表意者の内心だけでは決まらない。
- 無効の対抗範囲における第三者の要件:心裡留保の無効が対抗できないのは善意の第三者のみ。無過失は要件にない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第93条(心裡留保)
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
②前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
この条文の〇×問題(2問)
心裡留保の原則有効と無効の要件
表意者が真意ではないと知りながらした意思表示でも、相手方がその真意でないことを知らず、かつ知ることができなかったときは、その意思表示は有効である。
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正解 ○
正しい。真意ではないと知ってした意思表示は、それだけでは効力を妨げられないのが原則であり、無効となるのは相手方が真意でないことを知り、又は知ることができた場合に限られる。相手方が善意かつ無過失であれば意思表示は有効で、表意者の内心の保留だけでは効力は決まらない。
学習ポイント:心裡留保が無効になるには相手方の悪意か有過失が要る。表意者の内心だけでは決まらない。
第93条1項本文・ただし書
無効の対抗範囲における第三者の要件
真意に反すると知ってした意思表示が相手方の悪意によって無効となる場合、その無効は、善意ではあるが過失のある第三者に対しても対抗することができない。
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正解 ○
正しい。民法93条2項は心裡留保による無効を善意の第三者に対抗できないと定め、第三者の無過失までは要求していない。したがって、善意であれば過失がある第三者にも無効を対抗できない。善意でかつ過失がないことを第三者保護の要件とする錯誤の95条4項・詐欺の96条3項と区別する。
学習ポイント:心裡留保の無効が対抗できないのは善意の第三者のみ。無過失は要件にない。
第93条2項、関連:第95条4項・第96条3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成22年 問27肢4
Aが、高額な動産を妻に内緒で購入したことをとがめられたため、その場を取り繕うために、その場にたまたま居合わせたBを引き合いに出し、世話になっているBに贈与するつもりで購入したものだと言って、贈与するつもりがないのに「差し上げます」と引き渡した場合、当該意思表示は原則として有効である。
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正しい
心裡留保は原則として有効で、相手方が真意を知り又は知りうべき場合のみ無効。Bは居合わせたにすぎないので原則として有効。正しい。
宅建令和7年 問3ア
表意者が真意でないことを知ってした意思表示は無効であるが、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知らなければ、知らないことにつき過失があっても、当該意思表示は有効となる。
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誤り
誤り。真意を欠く意思表示(心裡留保)は相手方が悪意又は有過失の場合に限り無効(民法93条)。
マン管令和4年度 問12肢1
Aは、本心では202号室を売却するつもりはなく売買契約を締結した場合において、Bがそのことを知り、又は知ることができたときは、売買契約は無効となる。
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正しい
正しい。心裡留保は相手方が真意でないことを知り又は知ることができたときは無効(93条)。
管業令和3年度 問1肢1
Aが、所有権を移転する意思がないにもかかわらず、Bと売買契約を締結した場合に、Bがその真意を知り、又は知ることができたときは、Aは、Bに対して当該契約の無効を主張することができる。
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正しい
正しい。心裡留保の意思表示は原則有効だが、相手方が表意者の真意を知り又は知ることができたときは無効となる。
問題で確認する
第93条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。