意思表示は法律行為の意思を外部に表す行為です。この分野(第90条〜第98条)のうち、ここでは心裡留保・通謀虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫の5類型(第93条〜第96条)を比較します。無効と取消し、相手方と第三者のどちらの認識・過失を問うかを分けて確認します。
心裡留保は原則有効ですが、相手方が真意でないことを知り、又は知ることができたときは無効です。通謀虚偽表示は当事者間で無効です。どちらの無効も善意の取引第三者に対抗できず、その第三者の無過失は不要です。
重要な錯誤は取消しの対象です。基礎事情の錯誤にはその事情が行為の基礎とされていることの表示が必要です。表意者に重大な過失があると原則取消し不可ですが、相手方が錯誤を知り又は重大な過失で知らなかった場合と、相手方も同一の錯誤に陥った場合は例外です。取消しは善意無過失の取引第三者に対抗できません。
詐欺・強迫も取り消せます。第三者が詐欺を行った場合は、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り取り消せます。詐欺による取消しは、取消し前の善意無過失の取引第三者に対抗できません。詐欺を行った第三者と、取引から利害関係を得た第三者は別の役割です。第三者の強迫には相手方の認識・過失による取消制限がなく、強迫による取消しを善意無過失の取引第三者にも対抗できます。