第二編 株式会社/第一章 設立/第九節 募集による設立/第七款 設立手続等の特則等
会社法 第102条(設立手続等の特則)
この条の要点
- 引受人の株主取得時期:引受人は会社成立時に株主となる。払込済み株式のみ株主権を得る。
- 引受人の取消制限:引受人は成立後または議決権行使後は錯誤・詐欺・強迫でも取消し不可。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第102条(設立手続等の特則)
設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。ただし、同項第二号又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。
②設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。
③設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主及び株主の権利を行使することができない。
④前項の設立時発行株式又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主及び株主の権利を行使することができる。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。
⑤民法第九十三条第一項ただし書及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。
⑥設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
この条文の〇×問題(2問)
引受人の株主取得時期
設立時発行株式を引き受けて払込みを行った者は、株式会社が成立する時にその払込みをした株式についての株主となる。
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正解 ○
正しい。設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、払込みを行った設立時発行株式の株主となる。株主となる時期は株式会社の成立の時であり、株主となる株式は払込みを行ったものに限られる。払込みをした時点ではまだ株主資格は発生しない。
学習ポイント:引受人は会社成立時に株主となる。払込済み株式のみ株主権を得る。
第102条2項
引受人の取消制限
設立時発行株式の引受人は、創立総会や種類創立総会で議決権を行使していなくても、株式会社の成立後であれば錯誤を理由に設立時発行株式の引受けを取り消すことができる。
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正解 ×
誤り。設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。議決権の行使だけでも取消しが封じられる。
学習ポイント:引受人は成立後または議決権行使後は錯誤・詐欺・強迫でも取消し不可。
第102条6項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和4年度 問27イ
設立時募集株式の引受人は、その払込みをした時に株主となる。
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誤り
誤り。設立時募集株式の引受人は、払込時ではなく株式会社の成立の時に株主となる(102条2項)。
司法書士令和3年度 問27イ
設立時募集株式の引受人は、創立総会においてその議決権を行使した後であっても、株式会社の成立前であれば、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができる。
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誤り
誤り。設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会・種類創立総会で議決権を行使した後は、錯誤・詐欺・強迫を理由としても引受けを取り消すことができない(102条6項)。
司法書士平成29年度 問27エ
発起人は、定款を発起人が定めた場所に備え置かなければならず、設立時募集株式の引受人は、設立時募集株式の払込金額の払込みを行う前であっても、発起人が定めた時間内は、いつでも、当該定款の閲覧の請求をすることができる。
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正しい
正しい。発起人は定款を発起人の定めた場所に備え置き、設立時募集株式の引受人は発起人の定めた時間内はいつでも閲覧を請求できる(会社法102条1項)。
解説で第102条を参照している問
問題で確認する
第102条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。