第四章 登記手続/第三節 権利に関する登記/第一款 通則
不動産登記法 第60条(共同申請)
分野:登記手続/権利に関する登記/通則・登記手続/権利に関する登記/所有権に関する登記
この条の要点
- 共同申請主義の原則:権利登記は共同申請が原則。買主単独での売買移転は不可。
- 登記権利者・義務者の概念:義務者は直接被不利益者に限定。間接的影響を受ける関係者は除く。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第60条(共同申請)
権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
共同申請主義の原則
売買を原因とする所有権の移転の登記は、買主である登記権利者が単独で申請するのではなく、売主である登記義務者と共同して申請しなければならない。
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正解 ○
正しい。権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。売買による所有権移転登記はこの共同申請原則の典型例である。権利に関する登記は登記権利者と登記義務者の共同申請が原則であり、売買による移転登記はその典型である。
学習ポイント:権利登記は共同申請が原則。買主単独での売買移転は不可。
第60条本文
登記権利者・義務者の概念
売買契約の仲介業者や決済の立会人のような関係者も、その売買による所有権移転登記によって間接的な影響を受ける以上、当該登記の登記義務者に含まれる。
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正解 ×
誤り。登記義務者は登記により登記上直接に不利益を受ける登記名義人に限られ、間接に不利益を受ける者は除かれる。仲介業者や立会人は直接の利益・不利益を受けないため当事者に含まれない。取引関与と登記上の当事者性は別の問題である。
学習ポイント:義務者は直接被不利益者に限定。間接的影響を受ける関係者は除く。
第2条12号・13号、第60条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和4年度 問55エ
不動産の遺贈がされた場合において、遺言執行者があるときは、遺贈を受けた者は、遺言執行者と共同して、遺贈を原因とする当該不動産の所有権の移転の登記を申請することができる。
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正しい
正しい。遺言執行者がある場合、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことができ(民法1012条2項)、遺贈による所有権の移転の登記は遺言執行者と受遺者が共同して申請する(不動産登記法60条)。(2023年4月以降は、相続人に対する遺贈については受遺者が単独で申請することもできる(同法63条3項))
司法書士令和4年度 問61イ
本件仮登記がされた後にAからCへの売買を原因とする所有権の移転の登記がされている場合であっても、Bは、Aを登記権利者として、本件仮登記の抹消の申請をすることができる。
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正しい
正しい。仮登記の抹消は、仮登記名義人を登記義務者とし、仮登記の抹消によって登記上直接に利益を受ける者を登記権利者として共同して申請する(不動産登記法60条)。仮登記の後に所有権がCに移転していても、仮登記義務者であるAも登記権利者として本件仮登記の抹消を申請することができる(登記先例)。
司法書士平成25年度 問60イ
A社を抵当権者とする抵当権について、会社分割を登記原因とするB社への抵当権の移転の登記を申請するときは、当該抵当権の設定の登記の際に通知された登記識別情報を提供しなければならない。
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正しい
正しい。会社分割による権利の移転の登記も原則どおり共同申請であり(不登法60条)、登記義務者であるA社の登記識別情報の提供を要する(不登法22条)。
問題で確認する
第60条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。