第二章 借地/第四節 定期借地権等
借地借家法 第23条(事業用定期借地権等)
この条の要点
- 事業用定期借地の用途:事業用定期借地は専ら事業用建物に限り、居住用を含む建物は対象外。
- 十年以上三十年未満の事業用借地:事業専用で十年以上三十年未満の借地は、公正証書で設定する類型がある。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第23条(事業用定期借地権等)
専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
②専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。
③前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
事業用定期借地の用途
AがBへ土地を貸し、Bが住宅を建てて居住しつつ一室で事務所を営む場合、主な収入が事務所から得られれば、その建物は第23条の事業用定期借地権の対象にできる。
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正解 ×
誤り。第23条は、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、居住の用に供するものを除く。事務所としての利用があるとしても、住宅として居住する建物を収入の多寡だけで事業用建物にすることはできない。期間要件や公正証書の方式を整えても、用途要件を欠けば同条の事業用定期借地権には該当しない。
学習ポイント:事業用定期借地は専ら事業用建物に限り、居住用を含む建物は対象外。
第23条第1項・第2項
十年以上三十年未満の事業用借地
専ら店舗用の建物を所有する目的で、AとBが二十年の土地借地契約を公正証書で締結した場合、第23条の十年以上三十年未満の事業用借地権に関する特則の対象となり得る。
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正解 ○
正しい。第23条第2項は、専ら事業用建物の所有を目的とし、存続期間を十年以上三十年未満として設定する借地権について、第3条から第8条までや第13条等を適用しないとする。契約は同条第3項により公正証書でしなければならない。三十年以上五十年未満の第1項類型だけが事業用定期借地ではない。
学習ポイント:事業専用で十年以上三十年未満の借地は、公正証書で設定する類型がある。
第23条第2項・第3項
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和7年 問11肢3
本件契約が専らBの事業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間が50年である場合、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がない旨、並びにBが借地借家法第13条の規定による建物の買取りの請求をしない旨の特約を書面で有効に定めることができる。
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正しい
正しい。事業用定期借地権(30年以上50年未満)は更新なし・築造延長なし・買取請求なしの特約を書面で有効に定められる(法23条)。
宅建令和6年 問11肢2
居住の用に供する建物の所有を目的として借地権を設定する場合において、借地権を消滅させる目的で、その設定後30年を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨の特約を定めても、この特約は無効である。
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誤り
誤り。借地権消滅目的の建物譲渡特約は30年経過後の建物譲渡で有効(借地借家法23条2項)。
宅建令和5年 問11肢2
本件契約が甲土地上で専ら賃貸アパート事業用の建物を所有する目的である場合、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定めるためには、公正証書で合意しなければならない。
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誤り
誤り。賃貸アパートは居住の用に供する建物であるため事業用定期借地権(借地借家法23条)は設定できない。期間50年の本件では一般定期借地権(同法22条)として更新等をしない旨を定めることになるが、その特約は公正証書による等書面によってすれば足り、公正証書に限られない。
宅建令和3年10月 問11肢1
事業の用に供する建物を所有する目的とし、期間を60年と定める場合には、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を書面で合意すれば、公正証書で合意しなくても、その旨を借地契約に定めることができる。
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正しい
正しい。事業用建物目的の定期借地権は30年以上の期間なら公正証書でない書面でも更新なしの定めができる(借地借家法23条)。
問題で確認する
第23条の内容は2問の〇×問題と4問の条文穴埋めで確認できます。