第三章 登記手続/第五節 株式会社の登記
商業登記法 第90条(株式移転の登記)
この条の要点
- 株式移転における子会社の債権者保護手続:株式移転でも完全子会社の債権者保護手続を証する書面が設立登記の申請に要る。
- 株式移転承認の証明方法:計画承認の証明は「承認等手続があったことを証する書面」で足り、議事録原本の添付は不要。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第90条(株式移転の登記)
株式移転による設立の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
一 株式移転計画書
二 定款
三 第四十七条第二項第六号から第八号まで及び第十号から第十二号までに掲げる書面
四 前条第四号に掲げる書面
五 株式移転をする株式会社(以下「株式移転完全子会社」という。)の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に株式移転完全子会社の本店がある場合を除く。
六 株式移転完全子会社において会社法第八百四条第一項及び第三項の規定による株式移転計画の承認その他の手続があつたことを証する書面
七 株式移転完全子会社において会社法第八百十条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によつてした場合にあつては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該株式移転をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
八 株式移転完全子会社が株券発行会社であるときは、第五十九条第一項第二号に掲げる書面
九 株式移転完全子会社が新株予約権を発行している場合であつて、会社法第七百七十三条第一項第九号に規定する場合には、第五十九条第二項第二号に掲げる書面
この条文の〇×問題(2問)
株式移転における子会社の債権者保護手続
株式移転をする株式会社において債権者保護のための公告及び催告の手続がとられた場合、株式移転による設立の登記の申請書には、その手続をしたこと並びに異議を述べた債権者への対応を証する書面を添付する。
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正解 ○
正しい。株式移転による設立の登記の申請書には、株式移転完全子会社における公告・催告をしたこと並びに異議を述べた債権者への弁済・担保提供・信託又は異議を述べても害するおそれがないことを証する書面の添付が必要である。株式移転でも子会社側に債権者保護手続が課される。
学習ポイント:株式移転でも完全子会社の債権者保護手続を証する書面が設立登記の申請に要る。
第90条7号、関連:会社法810条2項
株式移転承認の証明方法
株式移転をする株式会社において株式移転計画の承認が株主総会の決議による場合、株式移転による設立の登記の申請書には当該株主総会の議事録そのものを必ず添付しなければならない。
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正解 ×
誤り。添付を要するのは株式移転計画の承認その他の手続があったことを証する書面であり、株主総会の議事録そのものに限られない。議事録の添付が義務付けられるのは登記すべき事項につき株主総会の決議を要する場合で、計画承認自体は登記事項ではない。
学習ポイント:計画承認の証明は「承認等手続があったことを証する書面」で足り、議事録原本の添付は不要。
第90条6号、関連:第46条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和4年度 問67ア
株式移転に際して株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付する場合において、当該株式移転完全子会社の新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転による設立の登記の申請書には、株式移転完全子会社が当該新株予約権付社債の社債権者に対して債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付しなければならない。
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正しい
正しい。株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合、子会社の社債権者への債権者保護手続を証する書面を添付する(会社法810条1項3号・商登90条7号)。
解説で第90条を参照している問
問題で確認する
第90条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。