第一編 総則/第二章 人/第三節 行為能力
民法 第11条(保佐開始の審判)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 保佐開始の申立てと職権:家裁が審判する制度でも職権とは限らない。請求権者を確認。
- 保佐開始と本人同意の要否:本人以外の請求で本人同意が要るのは補助。保佐には不要。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第11条(保佐開始の審判)
精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
保佐開始の申立てと職権
家庭裁判所が、精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者の存在を職務上知ったときは、申立てがなくても職権で保佐開始の審判をすることができる。
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正解 ×
誤り。保佐開始の審判は家庭裁判所が行うが、民法11条は本人、配偶者、四親等内の親族、後見人等または検察官の請求を手続の前提としている。裁判所が要件の存否を判断することと、申立てなしに職権で手続を開始できることは別である。
学習ポイント:家裁が審判する制度でも職権とは限らない。請求権者を確認。
第11条本文
保佐開始と本人同意の要否
四親等内の親族が保佐開始を請求した場合、本人がその開始に同意していなくても、家庭裁判所は法定の能力要件があると判断すれば保佐開始の審判をすることができる。
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正解 ○
正しい。民法11条は、四親等内の親族を請求権者に含める一方、本人以外の者の請求に本人の同意を要求していない。精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であるなどの要件があればよい。本人同意を要する補助開始との相違が重要である。
学習ポイント:本人以外の請求で本人同意が要るのは補助。保佐には不要。
第11条本文、比較:第15条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成30年 問35肢3
成年後見は、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所の審判によって開始する。
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妥当でない
事理弁識能力を『欠く常況』にある者が成年後見(7条)。『著しく不十分』は保佐の対象(11条)。誤り。
司法書士令和8年度 問4ウ
家庭裁判所は、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、後見開始の審判をすることができる。
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誤り
誤り。「事理を弁識する能力が著しく不十分」は保佐開始の要件(11条)。後見開始には「事理を弁識する能力を欠くことが常況」であることが必要。
司法書士令和5年度 問4エ
保佐開始の審判をするには、本人以外の者が請求する場合であっても、本人の同意を得ることを要しない。
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正しい
正しい。保佐開始の審判は本人以外の者が請求する場合でも本人の同意を要しない(11条)。本人同意が必要なのは補助開始の審判である(15条2項)。
司法書士令和3年度 問4エ
家庭裁判所は、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、保佐開始の審判をすることはできない。
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正しい
正しい。保佐開始の対象は事理を弁識する能力が著しく不十分な者であり、能力を欠く常況にある者については保佐開始の審判をすることができない(11条但書)。
問題で確認する
第11条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。