民法651条の過去問
民法651条を根拠にした本試験の過去問を、司法書士・マン管・管業・行政書士・宅建・賃管の6試験から12問・13肢集めました。 試験ごとの問われ方と、肢ごとの正誤の理由を確認できます。
民法第651条の条文
第1項委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
第2項前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
二 委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき。
出典:e-Gov法令検索(2026年6月24日施行版)/民法の条文一覧で見る
出題実績(12問)
| 試験 | 年度 | 問題 | 論点 | 根拠になった肢 |
|---|---|---|---|---|
| 行政書士 | 令和5年 | 問33 | 各種契約の解除と終了 | エ |
| 司法書士 | 令和8年度 | 問19 | 委任の義務と解除 | イ・オ |
| 司法書士 | 令和5年度 | 問19 | 委任の費用償還と解除 | エ |
| 司法書士 | 平成30年度 | 問19 | 委任契約と請負契約の異同 | ア |
| 宅建 | 令和4年 | 問9 | 代理人等の辞任手続 | ア |
| 賃管 | 平成28年度 | 問9 | 管理受託契約の性質と義務 | 肢3 |
| マン管 | 令和7年度 | 問15 | 契約の書面要件と解除 | 肢4 |
| マン管 | 令和6年度 | 問16 | 委任契約の受任者の義務と解除 | 肢4 |
| マン管 | 平成30年度 | 問16 | 準委任の受任者の義務・解除 | 肢3 |
| 管業 | 令和6年度 | 問3 | 委任等の各種契約の解除 | 肢1 |
| 管業 | 令和4年度 | 問1 | 委任契約の履行と解除 | 肢3 |
| 管業 | 平成30年度 | 問1 | 委任契約の効力と費用償還 | 肢3 |
当サイトの自作解説で民法651条を根拠として特定した肢を集計しています(解説を確認中の肢・図表が必要な問題・不成立の問題は除く)。
試験別の問われ方と肢別の正誤
司法書士(3問・4肢)
条文の細部を問う出題が中心です。受任者の利益が専ら報酬を得ることである場合に賠償義務が生じないこと、不利な時期の解除にやむを得ない事由が「必要」なのではなく賠償義務の問題にとどまることなど、要件と効果の区別が問われます。
委任の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。
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正誤:正しい
解説:正しい。委任の解除は将来に向かってのみ効力を生じる(652条・620条)。
委任は、その合意が書面によらないでされた場合に限り、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
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正誤:誤り
解説:誤り。委任は書面による合意でも各当事者がいつでも解除できる(651条1項)——書面によらない合意に限定する規定はない。
受任者の利益をも目的とする委任については、その利益が専ら受任者が報酬を得ることによるものであるときであっても、これを解除した委任者は、受任者の損害を賠償する義務を負う。
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正誤:誤り
解説:誤り。受任者の利益を目的とする委任の解除による賠償義務は、その利益が専ら受任者が報酬を得ることによるものであるときは生じない(651条2項)。
この契約は、各当事者がいつでもその解除をすることができるが、相手方にとって不利な時期に解除をするには、やむを得ない事由が必要である。
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正誤:誤り
解説:誤り。委任はいつでも解除でき、不利な時期の解除にはやむを得ない事由がなければ損害賠償義務を負うにすぎず(民法651条)、請負も注文者は損害賠償していつでも解除できる(641条)。いずれでも正しくない。
マンション管理士(3問・3肢)
管理委託契約や弁護士への委任を題材に、書面で契約しても任意に解除できること、不利な時期の解除でもやむを得ない事由があれば賠償不要であることが問われます。
Aが管理組合とのトラブルの解決を弁護士Fに委任する契約をし、これを書面によってしたときであっても、AはいつでもFとの委任契約を解除できる。
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正誤:正しい
解説:正しい。委任は書面による場合でも各当事者がいつでも解除することができる。
Bは、Aとの間の委任をいつでも解除することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。委任は各当事者がいつでも解除することができる(不利な時期の解除には損害賠償責任を生じうる)。
Bは、Aに不利な時期であってもAB間の委託契約を解除することができ、やむを得ない事由があればAに損害が生じたときでもAの損害を賠償する義務は生じない。
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正誤:正しい
解説:正しい。委任は各当事者がいつでも解除できる。不利な時期に解除した場合でもやむを得ない事由があれば損害賠償責任を負わない。
管理業務主任者(3問・3肢)
管理委託契約の解除をめぐって、不利な時期には解除「できない」という誤った記述を見抜けるかが繰り返し問われます。解除そのものは常にでき、問題になるのは損害賠償だけです。
委任者は、受任者に不利な時期になる場合や、当該委任契約が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする場合には、委任者にやむを得ない事由がない限り、当該契約を解除することができない。
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正誤:誤り
解説:誤り。不利な時期に解除した場合は損害賠償を負うが解除自体は可能であり、やむを得ない事由がなければ解除できないわけではない。
委任者は、受任者に不利な時期には、委任契約を解除することができない。
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正誤:誤り
解説:誤り。委任契約は各当事者がいつでも解除することができる。
委任契約が解除された場合に、解除の効力は将来に向かってのみ生じる。
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正誤:正しい
解説:正しい。委任契約の解除の効力は将来に向かってのみ生じ、過去の事務処理は違法にならない。
行政書士(1問・1肢)
契約各論の比較問題の一肢として、委任は委任者・受任者のいずれからもいつでも解除できることが問われました。
委任契約は、委任者であると受任者であるとにかかわらず、いつでも契約の解除をすることができる。
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解説:委任契約は委任者・受任者のいずれからもいつでも解除できる(民法651条)。妥当。
宅建(1問・1肢)
代理の問題と組み合わせて、報酬を受ける約束をした受任者(代理人)でも、いつでも委任を解除して代理権を消滅させられることが問われました。
委任によって代理権を授与された者は、報酬を受ける約束をしている場合であっても、いつでも委任契約を解除して代理権を消滅させて、代理人を辞することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。報酬を受ける受任者でも委任はいつでも解除でき、代理権を消滅させて辞せる(民法651条)。
賃貸不動産経営管理士(1問・1肢)
管理受託契約の解約を題材に、委任の任意解除と、契約で予告期間を定めた解約申入れの関係が問われました。
管理業者は、委託者である建物所有者に対し、各契約で定める予告期間をもって申し入れることにより、管理受託契約を解約することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。委任契約は各当事者がいつでも解除でき、標準契約書でも予告期間を置いた解約申入れが定められている。
間違えやすいポイント
651条が定めるのは「いつでも解除できる」ことと「損害賠償が必要な場合」です。不利な時期でも解除自体はでき、賠償の要否だけが問題になります。解除の効力が将来に向かってのみ生じる点は652条(620条の準用)の規定です。請負の注文者の解除(641条)とも比較されます。
| 論点 | 委任(651条) | 請負(641条) |
|---|---|---|
| 解除できる者 | 委任者・受任者の双方 | 注文者だけ(仕事の完成前) |
| 解除できる時期 | いつでも | 仕事を完成しない間 |
| 損害賠償 | 不利な時期・受任者の利益をも目的とする場合に必要(やむを得ない事由があれば不要) | 常に損害を賠償して解除 |
| 解除の効力 | 将来に向かってのみ(652条・620条) | — |
よくある質問
- 相手方に不利な時期でも委任を解除できますか?
- 解除はできます。ただし、不利な時期に解除したときは、やむを得ない事由がない限り相手方の損害を賠償しなければなりません。
- 報酬の約束がある委任でも、受任者はいつでも辞められますか?
- 辞められます。委任は報酬の有無にかかわらず各当事者がいつでも解除できます。受任者の利益が専ら報酬を得ることである場合、委任者が解除しても賠償義務は生じません。
次に解く・確認する
論点・試験別の説明の確認日:2026.10.06。現行条文(第1項・第2項)と各肢の自作解説の結論との整合、関連条(641条・652条・620条)。条番号の誤記がある解説は同日に修正