民法252条の過去問
民法252条を根拠にした本試験の過去問を、司法書士・宅建・マン管・行政書士・賃管・管業の6試験から14問・17肢集めました。 試験ごとの問われ方と、肢ごとの正誤の理由を確認できます。
民法第252条の条文
第1項共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用す…
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第1項共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。
第2項裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。
一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
二 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。
第3項前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
第4項共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。
一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等十年
二 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等五年
三 建物の賃借権等三年
四 動産の賃借権等六箇月
第5項各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。
出典:e-Gov法令検索(2026年6月24日施行版)/民法の条文一覧で見る
出題実績(14問)
| 試験 | 年度 | 問題 | 論点 | 根拠になった肢 |
|---|---|---|---|---|
| 行政書士 | 平成26年 | 問29 | 共有財産と共有者の権利 | イ |
| 司法書士 | 令和8年度 | 問10 | 共有物の管理と所在不明共有者 | ア・オ |
| 司法書士 | 令和7年度 | 問7 | 物権的請求権の行使 | ウ |
| 司法書士 | 令和5年度 | 問10 | 共有物の管理と分割 | オ |
| 司法書士 | 令和2年度 | 問10 | 共有持分の処分と共有物分割 | ア |
| 司法書士 | 平成30年度 | 問10 | 共有物の管理と持分の処分 | ア |
| 司法書士 | 平成27年度 | 問10 | 共有物の使用と共有関係の解消 | ウ |
| 司法書士 | 平成26年度 | 問28 | 株式の共同相続と権利行使 | ア |
| 宅建 | 令和6年 | 問3 | 所在不明共有者と共有物の管理 | 肢3 |
| 宅建 | 令和2年12月 | 問10 | 共有持分と共有物の管理 | 肢3 |
| 賃管 | 令和5年度 | 問22 | 共有住宅の賃貸管理と意思決定 | 肢3 |
| マン管 | 令和6年度 | 問12 | 共有住戸の使用と管理 | 肢3・肢4 |
| マン管 | 平成28年度 | 問12 | 専有部分の共有関係 | 肢3・肢4 |
| 管業 | 平成29年度 | 問1 | 共有住戸の処分と保存行為 | 肢4 |
当サイトの自作解説で民法252条を根拠として特定した肢を集計しています(解説を確認中の肢・図表が必要な問題・不成立の問題は除く)。
試験別の問われ方と肢別の正誤
司法書士(7問・8肢)
2021年改正(2023年施行)で新設された規定まで細かく問われます。所在不明・催告に応じない共有者がいる場合の裁判(変更行為には使えない)、短期の賃借権等の設定、賃貸借契約の解除が管理行為であること、無権利者の登記の抹消請求が保存行為であることなどが出題されています。
AがBに対し相当の期間を定めて甲土地にその効用の著しい変更を伴う変更を加えることについて賛否を明らかにすべき旨を催告したにもかかわらず、Bがその期間内に賛否を明らかにしないときは、裁判所は、Aの請求により、Cの同意を得て甲土地に当該変更を加えることができる旨の裁判をすることができる。
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正誤:誤り
解説:誤り。共有者の催告不答の場合に裁判所が許可できるのは管理事項の決定のみ(252条2項2号)であり、変更行為は管理事項から除かれる(252条1項括弧)。変更についての裁判所の許可は251条2項の「所在を知ることができない」場合に限られる。
Aが乙自動車を期間6か月の約定でEに賃貸することについてBが同意した場合には、Cが同意しなかったときであっても、Aは、乙自動車を期間6か月の約定でEに賃貸することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。動産の賃貸借(6か月以内)は共有物の管理事項として持分の過半数で決定できる(252条4項4号)。AとBの同意(3分の2)で足りる。
AとBが各2分の1の持分の割合で共有する甲土地上にCが権原なく乙建物を新築したときは、Aは、単独で、Cに対し、乙建物の収去及び甲土地の明渡しを請求することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。共有物の権原なき占有者に対する妨害排除・明渡請求は保存行為であり、各共有者が単独で行使できる(252条5項・判例)。
Aが甲土地を駐車場として使用させる目的でDのために賃借権を設定する場合には、賃貸借の存続期間の長短にかかわらず、B及びCの同意が必要である。
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正誤:誤り
解説:誤り。山林の賃貸借等以外の土地の賃貸借等は、その期間が5年を超えないときは持分価格の過半数をもって決することができる(252条4項)。存続期間の長短にかかわらず全員の同意を要するわけではない。
甲土地につき、無権利のDが自己名義への所有権の移転の登記をした場合には、Aは、単独で、Dに対し、その所有権の移転の登記の抹消登記手続を求めることができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。共有者の一人が持分に基づき無権利者の登記の抹消を求めることは妨害排除請求(保存行為)であり、単独で行うことができる(民法252条5項(改正前は同条ただし書)、最判昭31.5.10)。
A、B及びCが全員で甲土地をDに賃貸した場合、その賃貸借契約を解除するためには、A、B及びCの全員が解除権を行使しなければならない。
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正誤:誤り
解説:誤り。共有物を目的とする賃貸借契約の解除は共有物の管理に関する事項であり、各共有者の持分の価格に従い過半数で決する(民法252条・最判昭39.2.25)。全員の解除を要しない。
甲土地につき、真実の所有者でないDが所有権の登記名義人となっている場合、Aは、B及びCの同意を得なくても、Dに対し、その抹消登記手続を請求することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。真実の所有者でない者の登記の抹消請求は保存行為であり、B・Cの同意なく単独で請求できる(民法252条5項(改正前は同条ただし書))。
共同相続人は、その全員の同意がなければ、当該株式についての権利を行使する者を定めることができない。
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正誤:誤り
解説:誤り。株式について権利を行使する者は、共有持分の価格に従い過半数をもって定めることができる(会社法106条・民法264条準用252条、最判平9.1.28)。全員の同意は不要である。
宅建(2問・2肢)
所在不明の共有者がいる土地を資材置場として3年間賃貸する事例など、改正後の規定を事例にあてはめる出題と、保存行為は単独でできるという基本の確認が出題されています。
A、B、C3人の同意があれば、甲土地を資材置場として賃借したいFとの間で期間を3年とする賃貸借契約を締結することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。共有物の賃貸借は管理行為(5年以内)で持分の過半数で決定でき、所在不明者Dの持分を除くA・B・C(3/4)の同意で締結できる(民法252条・裁判所の決定)。
共有物の保存行為については、各共有者が単独ですることができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。保存行為は各共有者が単独でできる(民法252条5項)。
マンション管理士(2問・4肢)
住戸を共有する場面で、保存行為を単独でできるか、共有物の管理者の選任に全員の同意が必要か、協議なく単独で占有する共有者への明渡請求などが問われます。
Aは、B及びCの同意を得ずに、102号室の保存行為を行うことができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。共有物の保存行為は各共有者が他の共有者の同意を得ず単独で行うことができる。
Aは、B及びC双方の同意を得なければ、102号室の管理者を選任することができない。
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正誤:誤り
解説:誤り。共有物の管理者の選任は管理に関する事項として持分の価格に従い過半数で決することができ、全員の同意は要しない。
Dが不法に201号室を占有している場合には、Bは、単独でDに対して同室の明渡しを請求することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。不法占有者に対する明渡請求は保存行為に当たり、各共有者が単独ですることができる(民法252条5項)。
A、B及びCが201号室をEに賃貸している場合において、Eとの賃貸借契約を解除するためには、A、B及びC全員が同意した上で、共同で解除の意思表示をする必要がある。
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正誤:誤り
解説:誤り。共有物を目的とする賃貸借契約の解除は共有物の管理に関する事項であり、各共有者の持分の価格の過半数で決することができ(民法252条1項)、全員の同意や共同の意思表示は要しない(解除の不可分性を定める544条1項は適用されない。判例)。
行政書士(1問・1肢)
別荘地の共有の組合せ問題で、持分譲渡の取消しに伴う登記抹消請求が保存行為に類して他共有者が単独で請求できるかが問われました。
Cが甲土地および乙建物にかかる自己の持分をDに譲渡し、その旨の登記がなされたが、CD間の譲渡契約は錯誤により取り消された。この場合、AおよびBは、自己の持分が害されているわけではないので、単独でDに対してCD間の移転登記の抹消を求めることはできない。
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正誤:妥当ではない
解説:持分譲渡の取消しに伴う登記抹消請求は共有物の保存行為に類し、他の共有者も単独で請求できる(252条但書・判例)。妥当ではない。
賃貸不動産経営管理士(1問・1肢)
共有の賃貸物件で、期間3年の定期建物賃貸借の締結や賃貸借契約の解除が、持分の過半数で決められる管理行為に当たるかが、組合せ問題として問われました。
この肢の記述は問題ページで確認してください。
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正誤:正しい
解説:正しい。期間3年の定期借家の締結と賃貸借契約の解除は共有物の管理行為であり、持分の価格の過半数で決することができる。
管理業務主任者(1問・1肢)
共有の住戸を不法占拠する第三者に対し、共有者の一人が単独で明渡しを請求できる(保存行為)ことが問われました。
Cは、当該住戸を不法占拠する第三者に対し、単独で、その明渡しを請求することができる。
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正誤:正しい
解説:正しい。不法占拠者への明渡し請求は共有物の保存行為に当たり、各共有者が単独ですることができる。
間違えやすいポイント
共有物の扱いは行為の種類で決め方が違います。変更(形状又は効用の著しい変更を伴うもの)は全員の同意、管理は持分の過半数、保存は単独です。存続期間が短期の上限を超える賃貸借は管理ではなく変更として全員の同意が必要になります。2021年改正前の過去問は「252条ただし書」として保存行為を出題している点にも注意します。
| 行為 | 決め方 | 例 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 変更(軽微なものを除く) | 共有者全員の同意 | 建物の建築、長期の賃貸借の設定 | 251条1項 |
| 管理 | 持分の価格の過半数 | 管理者の選任、賃貸借の解除、短期の賃借権等の設定 | 252条1項・4項 |
| 保存 | 各共有者が単独で | 不法占拠者への明渡請求、無権利者の登記の抹消請求 | 252条5項 |
よくある質問
- 共有の建物を賃貸するには全員の同意が必要ですか?
- 建物の賃貸借で期間が3年を超えないものは管理に関する事項として、持分の価格の過半数で決めることができます(252条4項)。3年を超える場合は変更として全員の同意が必要です。
- 共有者の一人だけで不法占拠者に明渡しを求められますか?
- できます。不法占拠者への明渡請求や無権利者の登記の抹消請求は保存行為にあたり、各共有者が単独で行えます(252条5項)。
次に解く・確認する
論点・試験別の説明の確認日:2026.10.06。現行条文(2021年改正後の第1項〜第5項)と各肢の自作解説の結論との整合。改正前の条文表記(ただし書)を引用していた解説は現行の項番号を併記し、結論を確認できない1肢は掲載対象から外した