資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二編 株式会社/第四章 機関/第十一節 役員等の損害賠償責任

会社法 第428条(取締役が自己のためにした取引に関する特則)

分野:役員等の責任・補償契約・保険

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 自己取引の無過失責任:自己のための直接取引の責任は無過失でも免れず、一部免除も不可。総株主同意の免除は可。
  • 無過失責任の対象範囲:無過失責任の対象は「自己のためにした取引」のみ。第三者のための取引は含まない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第428条(取締役が自己のためにした取引に関する特則)

第三百五十六条第一項第二号(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第四百二十三条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。

②前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。

この条文の〇×問題(2問)

自己取引の無過失責任

取締役が自己のために株式会社と取引をした場合の損害賠償責任は、任務を怠ったことがその取締役の責めに帰することができない事由によるものであれば、免れることができる。

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正解 ×

誤り。自己のために会社と直接取引をした取締役又は執行役の任務懈怠責任は、任務を怠ったことが本人の責めに帰することができない事由によるものであっても免れることができない(428条1項)。また、総会決議等による責任の一部免除や責任限定契約(425条〜427条)は適用されない(同条2項)。ただし、総株主の同意による免除(424条)は可能である。

学習ポイント:自己のための直接取引の責任は無過失でも免れず、一部免除も不可。総株主同意の免除は可。

第428条1項・2項、関連:第424条〜第427条

無過失責任の対象範囲

取締役が第三者のために株式会社と取引をした場合の損害賠償責任については、取締役が無過失を証明すれば免責される余地があるが、自己のためにした取引については無過失でも免責されない。

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正解 ○

正しい。免除規定の適用を排除されるのは、自己のためにした自己取引(取締役が自己又は第三者のために会社と取引する場合のうち自己のためにしたもの)に限られる。第三者のために会社と取引をした場合はこの特則の対象外であり、通常の任務懈怠責任の規定が適用される。

学習ポイント:無過失責任の対象は「自己のためにした取引」のみ。第三者のための取引は含まない。

第428条1項(括弧書き)、関連:第356条1項2号

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和7年度 問32ア

取締役会設置会社の取締役は、自己のために当該会社と取引をしたことによって当該会社に損害が生じた場合において、その任務を怠ったことが当該取締役の責めに帰することができない事由によるものであることを証明したときは、当該会社に対して当該損害を賠償する責任を負わない。

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誤り

誤り。自己のためにした利益相反取引による任務懈怠責任は、帰責事由がないことを証明しても免れない(428条1項)。任務懈怠の推定を定めるのは423条3項である。

司法書士平成30年度 問30ウ

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正しい

正しい。自己のために会社から貸付けを受けることは利益相反取引(直接取引)に当たり、これによって会社に損害が生じたときは、取締役会の承認の有無にかかわらず当該取締役は任務を怠ったものと推定され(会社法423条3項1号)、その責任は、任務を怠ったことが自己の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない(428条1項)。

司法書士平成30年度 問30エ

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誤り

誤り。428条1項の責任は株主総会決議では免除できないが(428条2項)、総株主の同意による免除(424条)は可能である。

問題で確認する

第428条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。