第三章 借家/第一節 建物賃貸借契約の更新等
借地借家法 第30条(強行規定)
この条の要点
- 借家人に不利な特約:普通借家で法定の解約・更新保護に反する借家人不利の特約は無効。
- 有利な特約:第30条が無効にするのは借家人に不利な違反特約であり、有利な合意は一律無効でない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第30条(強行規定)
この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
この条文の〇×問題(2問)
借家人に不利な特約
普通建物賃貸借で、賃貸人Aと賃借人Bが『Aは理由を示さず即日解約できる』と書面で合意すれば、第27条・第28条に反してもBに不利な特約は有効である。
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正解 ×
誤り。第30条は、建物賃貸借に関する同節の規定に反する特約で賃借人に不利なものを無効とする。賃貸人の解約申入れには第27条の六か月と第28条の正当事由が必要で、書面に署名しただけで借家人保護を奪えない。ただし第38条など法律が別途認める定期建物賃貸借の方式・要件を満たす場合とは区別する。
学習ポイント:普通借家で法定の解約・更新保護に反する借家人不利の特約は無効。
第30条、第27条、第28条
有利な特約
賃貸人Aが賃借人Bに有利になるよう、普通借家の更新後も一定期間は賃料を増額しないと合意した場合、第30条は賃借人に有利な特約まで一律に無効とはしていない。
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正解 ○
正しい。第30条が無効にするのは、同節の規定に反する特約のうち、建物賃借人に不利なものに限られる。借家人に有利な合意をすべて禁じる規定ではない。借賃の増額を一定期間しない旨の特約は、第32条第1項ただし書でも尊重される。強行規定を理由に、借家人保護を厚くする合意まで排除してはならない。
学習ポイント:第30条が無効にするのは借家人に不利な違反特約であり、有利な合意は一律無効でない。
第30条、第32条第1項ただし書
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建平成29年 問12肢2
Aが甲建物の賃貸借契約の解約の申入れをした場合には申入れ日から3月で賃貸借契約が終了する旨を定めた特約は、Bがあらかじめ同意していれば、有効となる。
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誤り
誤り。借主に不利な解約期間短縮特約は借地借家法30条により無効(貸主の解約は6か月)。
賃管令和6年度 問4肢2
賃借人が差押え又は破産手続開始の決定を受けたときは、賃貸人は直ちに賃貸借契約を解除することができる旨の特約は無効である。
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正しい
正しい。差押えや破産を理由に直ちに解除できるとする特約は借主に不利で無効である。
賃管令和6年度 問4肢4
定期建物賃貸借契約でない賃貸借契約の締結時に設定される、期間満了時に賃貸借契約を解約する旨の特約は無効である。
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正しい
正しい。普通借家の締結時に期間満了で解約する旨の特約は借主に不利で無効である。
賃管令和5年度 問21肢2
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正しい
正しい。アは期間の定めがなくても賃貸借は成立する点で誤り、イは借主の死亡で契約が終了する特約は借主に不利で無効となる点で誤り。
解説で第30条を参照している問
問題で確認する
第30条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。