第二章 保全命令に関する手続/第五節 保全抗告
民事保全法 第41条(保全抗告)
この条の要点
- 保全抗告の期間:保全抗告は送達から2週間。抗告裁判所が発した保全命令の異議の裁判は対象外。
- 原裁判所の処理:原裁判所は抗告理由の有無を判断せず送付する。理由なしとして自ら却下は不可。
条文原文
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第41条(保全抗告)
保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判(第三十三条(前条第一項において準用する場合を含む。)の規定による裁判を含む。)に対しては、その送達を受けた日から二週間の不変期間内に、保全抗告をすることができる。ただし、抗告裁判所が発した保全命令に対する保全異議の申立てについての裁判に対しては、この限りでない。
②原裁判所は、保全抗告を受けた場合には、保全抗告の理由の有無につき判断しないで、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
③保全抗告についての裁判に対しては、更に抗告をすることができない。
④第十六条本文、第十七条並びに第三十二条第二項及び第三項の規定は保全抗告についての決定について、第二十七条第一項、第四項及び第五項、第二十九条、第三十一条並びに第三十三条の規定は保全抗告に関する裁判について、民事訴訟法第三百四十九条の規定は保全抗告をすることができる裁判が確定した場合について準用する。
⑤前項において準用する第二十七条第一項の規定による裁判は、事件の記録が原裁判所に存するときは、その裁判所も、これをすることができる。
この条文の〇×問題(2問)
保全抗告の期間
抗告裁判所が発した保全命令に対するものを除き、債務者甲が保全異議についての決定の送達を受けた場合、甲はその送達があった日から二週間以内であれば、上級審に対して保全抗告の方法で不服を申し立てることができる。
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正解 ○
正しい。保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判に対しては、その送達を受けた日から二週間の不変期間内に保全抗告ができる(41条1項本文)。ただし、抗告裁判所が発した保全命令に対する保全異議の申立てについての裁判に対しては、保全抗告をすることができない(同項ただし書)。
学習ポイント:保全抗告は送達から2週間。抗告裁判所が発した保全命令の異議の裁判は対象外。
第41条1項本文・ただし書
原裁判所の処理
原裁判所は、保全抗告に理由がないと判断したときは、事件を抗告裁判所に送付せず自ら抗告を却下することができる。
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正解 ×
誤り。原裁判所は、保全抗告を受けた場合には、保全抗告の理由の有無につき判断しないで、事件を抗告裁判所に送付しなければならない(41条2項)。抗告に理由がないと判断して自ら却下することはできず、実体的な判断は抗告裁判所が行う。なお、これは理由の有無の判断を禁じるものであり、不適法な抗告の形式的な審査とは別の問題である。
学習ポイント:原裁判所は抗告理由の有無を判断せず送付する。理由なしとして自ら却下は不可。
第41条2項
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問41ア
保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全抗告をすることができる。
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誤り
誤り。保全命令に対しては、債務者は保全異議の申立てができる(民保26条)。保全抗告が認められるのは保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判に対してであり(民保41条)、債務者から保全命令に対する保全抗告はない。
解説で第41条を参照している問
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第41条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。