資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二編 物権/第三章 所有権/第三節 共有

民法 第255条(持分の放棄及び共有者の死亡)

分野:所有権

出題試験:宅建重要度 高行政書士重要度 中司法書士重要度 高マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第255条(持分の放棄及び共有者の死亡)

共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

条文の要点

持分の他の共有者への帰属とは、共有者が持分を放棄したか相続人なく死亡したときに、その持分が他の共有者に移ることです(255条)。

持分放棄なら他の共有者に持分割合で帰属します。相続人なく死亡した場合は、相続財産清算人による清算と特別縁故者への財産分与の手続を経て、なお残る持分の承継者がないと確定してから帰属します。

持分の他の共有者への帰属の時期と帰属先

相続人の不存在が確定しただけでは、他の共有者への帰属は決まりません。相続債権者等への清算に加え、特別縁故者への分与が優先します。その手続後に残る共有持分は、959条の国庫帰属ではなく255条により他の共有者へ帰属します。

項役割内容
1項要件持分の放棄、又は共有者が死亡して相続人がないことが帰属の原因
1項効果持分は国庫ではなく他の共有者にその持分割合に応じて帰属する

具体例

A・B・Cの共有物について、Aが自己の持分を放棄しました。

Aの持分は国庫ではなくB・Cに持分割合に応じて帰属し、共有はB・Cの間で続きます。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Aが放棄ではなく死亡し、相続人がいるか明らかでない場合に変えます。

持分は直ちに他の共有者へ移りません。相続財産清算人による清算、相続人の捜索、特別縁故者への分与の手続を経て、なお残る持分に承継者がいないと確定して初めて帰属します。

関連条との違い

  • 民法 第239条:所有者のない不動産は国庫に帰属する。共有持分の放棄や、相続財産の清算・特別縁故者への分与後に残る持分は他の共有者に帰属する
  • 民法 第959条:清算・特別縁故者への分与後の残余相続財産は原則として国庫に帰属するが、共有持分については255条により他の共有者に帰属する
  • 民法 第250条:持分割合は相等しいものと推定する。帰属もこの持分割合に応じて行われる

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和7年 問8肢2

    持分放棄で国庫に帰属するとする誤り。帰属先は他の共有者

  • 司法書士平成31年度 問11ウ

    相続人の有無が明らかでないとき死亡だけで直ちに他の共有者へ帰属するとする誤り。清算と特別縁故者への分与を経て、持分の承継者がないと確定する必要がある

  • 宅建令和2年12月 問10肢4

    相続人のない死亡共有者の持分は国庫に帰属するとする誤り。清算・特別縁故者への分与後に残る持分は他の共有者に帰属する

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年6月24日施行版

この条文を解説で参照する過去問

行政書士平成28年 問29オ

A、BおよびCが乙建物を共有する場合において、Aが死亡して相続人が存在しないときは、Aの甲土地および乙建物の持分は、BおよびCに帰属する。

正誤と理由を見る

共有者が死亡して相続人がいないとき、その持分は他の共有者に帰属する(255条)。正しい。

行政書士平成26年 問29エ

Cには相続人となるべき者はなく、内縁の妻Eと共に生活していたところ、Cが死亡した。この場合、甲土地および乙建物にかかるCの持分は、特別縁故者に当たるEに分与されないことが確定した後でなければ、他の共有者であるAおよびBに帰属しない。

正誤と理由を見る

妥当

共有者が相続人なく死亡した場合の持分帰属は、相続財産管理人による公告等の手続を経て相続人の不存在や特別縁故者への分与がないことが確定した後に生じる(255条)。妥当。

司法書士令和2年度 問10ウ

Aが自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。共有者の一人が持分を放棄したときは、その持分は国庫ではなく他の共有者に帰属する(民法255条)。

司法書士平成31年度 問11ウ

Aが死亡し、Aに相続人があることが明らかでない場合には、Aの持分は、その死亡により直ちにB及びCに帰属する。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。共有者が死亡し相続人があることが明らかでない場合、その持分は相続財産法人に帰属し、直ちに他の共有者に帰属するわけではない(民法255条の放棄による帰属とは異なる)。

司法書士平成31年度 問50ウ

B及び亡Aの相続財産法人を所有権の登記名義人とする甲土地について、Bが共有持分の全部を放棄したときは、亡Aの相続財産法人を登記権利者、Bを登記義務者としてBから亡Aの相続財産法人への持分の全部移転の登記を申請することができる。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。共有者が持分を放棄したときはその持分は他の共有者に帰属し(民法255条)、Bを登記義務者、亡Aの相続財産法人を登記権利者とする持分全部移転の登記を申請できる。

宅建令和7年 問8肢2

Aが甲土地についての自己の持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。共有持分の放棄は『他の共有者』に帰属する(民法255条)。国庫に帰属するわけではない。

宅建令和2年12月 問10肢4

共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は国庫に帰属する。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。相続人のない共有者の持分は国庫ではなく他の共有者に帰属する(民法255条)。

宅建平成29年 問3肢4

GとHが共有する建物につき、Gがその持分を放棄した場合は、その持分はHに帰属する。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。共有者が持分を放棄した場合、その持分は他の共有者に帰属する(民法255条)。

マン管平成28年度 問12肢2

Aが201号室の持分権を放棄した場合には、Aの持分権はBとCに帰属し、同室はBとCの共有となる。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。共有者の一人がその持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属する(民法255条)。Aの持分はBとCに帰属し、201号室はBとCの共有となる。

管業令和2年度 問1肢4

BとCが法定相続分に従い甲を共同相続したが、その後、Cが甲の共有持分を放棄した場合には、その持分は国庫に帰属する。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。共有持分を放棄したときは他の共有者Bに帰属し、国庫には帰属しない。

ほか1肢は、各過去問のページで確認できます。

問題で確認する

第255条の内容は1問の条文穴埋めで確認できます。