第一編 総則/第七章 時効/第一節 総則
民法 第148条(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 強制執行による完成猶予と更新:本執行は猶予+更新が原則。取下げ・違法取消しで終了したときのみ更新しない。
- 仮差押えの完成猶予と更新効力の有無:仮差押え・仮処分は完成猶予のみ。更新するのは強制執行・担保権の実行等の本執行。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第148条(強制執行等による時効の完成猶予及び更新)
次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 強制執行
二 担保権の実行
三 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十五条に規定する担保権の実行としての競売の例による競売
四 民事執行法第百九十六条に規定する財産開示手続又は同法第二百四条に規定する第三者からの情報取得手続
②前項の場合には、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。ただし、申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによってその事由が終了した場合は、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
強制執行による完成猶予と更新
債権者が債務者の財産に対する強制執行をした場合、その手続が終了するまでの間は時効は完成せず、申立ての取下げや法律の規定に従わないことによる取消し以外の事由で終了したときは、終了の時から時効は新たに進行を始める。
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正解 ○
正しい。強制執行、担保権の実行、競売、財産開示手続等があった場合はその事由が終了するまでの間は時効は完成せず、原則として事由終了の時から時効は新たに進行を始める。ただし申立ての取下げ又は法律の規定に従わないことによる取消しによって終了した場合は更新しない。
学習ポイント:本執行は猶予+更新が原則。取下げ・違法取消しで終了したときのみ更新しない。
第148条1項・2項
仮差押えの完成猶予と更新効力の有無
債権者が債務者の財産に対する仮差押えをした場合、その仮差押えの手続が終了した時から、強制執行の場合と同様に時効は新たに進行を始める。
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正解 ×
誤り。仮差押えと仮処分は、手続が終了した時から六か月を経過するまでの間は時効の完成が猶予されるだけで、時効を更新させる効力はない。終了の時から新たに進行を始めるのは、強制執行や担保権の実行などの本執行に限られる。
学習ポイント:仮差押え・仮処分は完成猶予のみ。更新するのは強制執行・担保権の実行等の本執行。
第149条、関連:第148条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和8年度 問6ウ
Aは、令和7年9月10日、Bについて、本件債権を請求債権とする財産開示手続の実施を申し立てたが、Bは同年10月10日に実施された財産開示期日に出頭せず、執行裁判所は、同日、財産開示手続を終了させた。この場合には、Bは、令和8年7月1日、本件債権の消滅時効を援用することができる。
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誤り
誤り。財産開示手続の申立ては時効の完成猶予・更新事由(148条1項4号・2項)であり、債務者が期日に出頭せず手続が終了した場合でも時効は更新される。
司法書士令和4年度 問6オ
執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより財産開示手続が実施された場合には、その事由が終了するまでの間は、時効は完成しない。
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正しい
正しい。財産開示手続が実施された場合、その事由が終了するまでの間は時効は完成しない(148条)。
解説で第148条を参照している問
問題で確認する
第148条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。