第一編 総則/第三章 当事者/第一節 当事者能力及び訴訟能力
民事訴訟法 第32条(被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則)
この条の要点
- 特別の授権を要する訴訟行為:取下げ・和解・放棄認諾・脱退等は特別の授権が必要。
- 相手方の訴えへの応訴と授権:相手方の訴え・上訴への応訴行為に保佐人等の同意は不要。
条文原文
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第32条(被保佐人、被補助人及び法定代理人の訴訟行為の特則)
被保佐人、被補助人(訴訟行為をすることにつきその補助人の同意を得ることを要するものに限る。次項及び第四十条第四項において同じ。)又は後見人その他の法定代理人が相手方の提起した訴え又は上訴について訴訟行為をするには、保佐人若しくは保佐監督人、補助人若しくは補助監督人又は後見監督人の同意その他の授権を要しない。
②被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が次に掲げる訴訟行為をするには、特別の授権がなければならない。
一 訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾又は第四十八条(第五十条第三項及び第五十一条において準用する場合を含む。)の規定による脱退
二 控訴、上告又は第三百十八条第一項の申立ての取下げ
三 第三百六十条(第三百六十七条第二項、第三百七十八条第二項及び第三百八十一条の七第二項において準用する場合を含む。)の規定による異議の取下げ又はその取下げについての同意
この条文の〇×問題(2問)
特別の授権を要する訴訟行為
成年被後見人の後見人が、成年被後見人に対して提起された訴えについて訴えの取下げや和解をするには、通常の代理権では足りず、特別の授権がなければならない。
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正解 ○
正しい。被保佐人、被補助人又は後見人その他の法定代理人が、訴えの取下げ、和解、請求の放棄・認諾、訴訟からの脱退などの訴訟行為をするには、特別の授権がなければならない(32条2項)。相手方の提起した訴えに応訴する場合も同様である。紛争を終局的に解決する重大な行為であるため、厳格な授権が求められる。
学習ポイント:取下げ・和解・放棄認諾・脱退等は特別の授権が必要。
第32条第2項
相手方の訴えへの応訴と授権
被保佐人が相手方の提起した訴えに応答して答弁や証拠の提出をするには、保佐人の同意その他の授権を得なければならない。
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正解 ×
誤り。被保佐人・被補助人またはその法定代理人が、相手方の提起した訴えまたは上訴について訴訟行為をするには、保佐人等の同意その他の授権を要しない。防御のための応訴行為は本人の利益保護のため自由にできる。
学習ポイント:相手方の訴え・上訴への応訴行為に保佐人等の同意は不要。
第32条第1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問36オ
被保佐人が、相手方の提起した訴えにおいて、請求原因事実を認める旨の陳述をするには、保佐人の同意を要しない。
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正しい
正しい。被保佐人が相手方の提起した訴えにおいて請求原因事実を認める旨の陳述(いわゆる自白)をするには、保佐人の同意を要しない(民訴32条1項)。
司法書士令和3年度 問36ウ
被告が訴訟係属中に保佐開始の審判を受けた場合において、訴訟上の和解をするときは、保佐人の特別の授権を要する。
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正しい
正しい。被保佐人・被補助人の訴訟行為のうち、和解・請求の放棄・認諾・訴えの取下げ等は保佐人・補助人の特別の授権を要する(民訴32条2項)。
解説で第32条を参照している問
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第32条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。