第一編 総則/第三章 当事者/第四節 訴訟代理人及び補佐人
民事訴訟法 第55条(訴訟代理権の範囲)
この条の要点
- 特別の委任を要する行為:和解・放棄認諾・上訴等は特別委任事項。証拠調べ対応や送達受領は不要。
- 訴訟代理権の制限:訴訟代理権は制限不可。非弁護士代理人のみ例外。
条文原文
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第55条(訴訟代理権の範囲)
訴訟代理人は、委任を受けた事件について、反訴、参加、強制執行、仮差押え及び仮処分に関する訴訟行為をし、かつ、弁済を受領することができる。
②訴訟代理人は、次に掲げる事項については、特別の委任を受けなければならない。
一 反訴の提起
二 訴えの取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾又は第四十八条(第五十条第三項及び第五十一条において準用する場合を含む。)の規定による脱退
三 控訴、上告若しくは第三百十八条第一項の申立て又はこれらの取下げ
四 第三百六十条(第三百六十七条第二項、第三百七十八条第二項及び第三百八十一条の七第二項において準用する場合を含む。)の規定による異議の取下げ又はその取下げについての同意
五 代理人の選任
③訴訟代理権は、制限することができない。ただし、弁護士でない訴訟代理人については、この限りでない。
④前三項の規定は、法令により裁判上の行為をすることができる代理人の権限を妨げない。
この条文の〇×問題(2問)
特別の委任を要する行為
訴訟代理人が和解をするには特別の委任を要するが、相手方のした請求についての証拠調べへの立ち会いや、判決の送達の受領には特別の委任を要しない。
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正解 ○
正しい。反訴の提起、訴えの取下げ、和解、請求の放棄・認諾、脱退、上訴の提起・取下げ、異議の取下げ等、紛争の帰趨を決める行為には特別の委任が必要だが、通常の弁論・証拠調べへの対応や送達受領は一般の訴訟行為としてできる。
学習ポイント:和解・放棄認諾・上訴等は特別委任事項。証拠調べ対応や送達受領は不要。
第55条第2項
訴訟代理権の制限
訴訟代理権は、委任状において個々の訴訟行為の範囲を限定すれば、その範囲内に制限することができる。
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正解 ×
誤り。訴訟代理権は制限することができないのが原則であり、委任状で個別の行為範囲を限定してもその制限は効力を持たない。弁護士でない訴訟代理人についてのみ例外として制限が認められる。制限不能の原則は、代理権の範囲をめぐる相手方や裁判所との紛争を防ぎ手続を明確にするためである。
学習ポイント:訴訟代理権は制限不可。非弁護士代理人のみ例外。
第55条第3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和6年度 問36オ
訴訟代理人が委任を受けた事件について控訴をするには、特別の委任を要しない。
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誤り
誤り。控訴の提起は特別の委任を要する事項である(民訴55条2項)。反訴・和解・訴えの取下げ・上告の提起等も同様に特別の委任を要する。
司法書士平成27年度 問40ウ
訴訟代理人は、特別の委任を受けることなく、裁判上の和解をすることができる。
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誤り
誤り。裁判上の和解は、訴訟代理人が特別の委任を受けなければできない(民訴55条2項)。
解説で第55条を参照している問
問題で確認する
第55条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。