第一編 総則/第二章 人/第三節 行為能力
民法 第21条(制限行為能力者の詐術)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 同意の存在の偽装と詐術:行為能力の制限がないと信じさせるための欺罔全般が詐術にあたり、同意の偽装でも取消権は失われる。
- 相手方の誤信を欠く詐術の効果:詐術を用いても相手方が誤信しなければ取消しは妨げられない。相手方の誤信の有無を確認する。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第21条(制限行為能力者の詐術)
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
この条文の〇×問題(2問)
同意の存在の偽装と詐術
被保佐人が、保佐人の同意を得たように装うため偽造した同意書を相手方に提示して契約を締結した場合、その被保佐人はこの契約を制限行為能力を理由に取り消すことができない。
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正解 ○
正しい。詐術による取消不能は、行為能力者である旨の偽称だけでなく、法定代理人や保佐人の同意があると誤信させる欺罔も含むと解される。同意の存在を装って相手方を誤信させた以上、同意欠缺を理由とする取消しは認められない。
学習ポイント:行為能力の制限がないと信じさせるための欺罔全般が詐術にあたり、同意の偽装でも取消権は失われる。
第21条、関連:第13条1項・4項
相手方の誤信を欠く詐術の効果
未成年者が、成年であると信じさせるため偽造の身分証明書を提示して物品の売買契約を締結したが、相手方は提示された書類の内容を疑い、その者が未成年であることを知りながら契約した。この場合でも、詐術が用いられた以上、未成年者はその売買契約を取り消すことができない。
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正解 ×
誤り。取消不能となるのは、詐術によって相手方がその者を行為能力者であると誤信した場合に限られる。相手方が制限行為能力者であることを知っていた以上、誤信はなく、制限行為能力者は同意欠缺を理由にその行為を取り消すことができる。
学習ポイント:詐術を用いても相手方が誤信しなければ取消しは妨げられない。相手方の誤信の有無を確認する。
第21条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和7年 問27肢4
制限行為能力者が、行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
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正しい
制限行為能力者が行為能力者と信じさせるため詐術を用いたときは取消しできない(民法21条)。
行政書士平成26年 問28肢5
Aは未成年者であったが、その旨をBに告げずに本件売買契約を締結した場合、制限行為能力者であることの黙秘は詐術にあたるため、Aは未成年者であることを理由として本件売買契約を取り消すことはできない。
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妥当ではない
制限行為能力者であることの単なる黙秘は詐術にあたらず取消しは可能(21条)で、取消し不可という結論は誤り。妥当ではない。
司法書士平成29年度 問4ウ
Aが行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いて不動産を購入したときは、その売買契約を取り消すことができない。
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誤り
誤り。詐術を用いた場合は取消しができない(民法21条)のは成年被後見人にも被保佐人にも共通する。
宅建平成28年 問2肢4
被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。
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正しい
正しい。被補助人が同意を得ていないのに詐術で同意を得たと信じさせた場合、その行為を取り消すことはできない(民法21条)。
問題で確認する
第21条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。